【湘北 安西先生のチームマネジメント】スラムダンクに学ぶダイバーシティ&インクルージョン

安西先生… バスケがしたいです…

湘北バスケ部に混乱をもたらした
三井寿が安西先生の顔をみるや、
大粒の涙をながす。
実に印象深いシーンである。

さて、皆さんご無沙汰しております。
株式会社せんだ兄弟社、
代表取締役の専田政樹でございます。
あまりにも多忙な日々が続き、
更新が滞っておりましたが、
ゆるゆると再開していきたいと思います。

さて暫く時間が空きましたが、
再開一発目は泣く子(みっちゃん)もだまる、
ホワイトヘアードデビル、あらため、
ほとけのような安西先生。

物語の中で過去の大学監督時代まで描かれた、
注目の指導者は、キャリアを経て実に老獪な
チームマネジメントを行っている。

基本は自覚も才能もある選手たちの自主性に任せ、
いざという時、助力が必要な時にはしっかりと
入り込み、チームを導いていく。
本作品には監督が主役となるようなタイプの
チームはそもそもでてこないが、
ちまたの学生スポーツでは指導者が主役と
見間違うようなシーンも実際には多い。

一方で普段は選手に任せている安西先生も、
ここぞというシーンでは必ず必要な介入をする。
冒頭の三井のシーンしかり、
海南戦後の練習では怪我をした
赤木には練習量をセーブさせ、
桜木の海南戦で喪失した自信を回復させ、
三井を使って課題を明確化した。
翌日から桜木のゴール下の特訓が始まる。

陵南戦もまた動く。
チームが静岡に合宿に行く中、
桜木だけ残しジャンプシュートの特訓へ。
シュート2万本をこなし、
短期間での急成長を促す。

普段殆ど練習に介入するシーンのない、
安西先生だがここぞという場面では入り込む。
各メンバーの自主性を重んじ、その力量を理解し、
必要なタイミングでは深く入り込む。

湘北メンバーは仲良しこよしタイプでは
無いだけに相互に活かし合う姿は極限まで
でてこない事が多い。
個人の能力値が高い
メンバーが集まっていることで
試合では勝てる個人のマッチアップに
ボールを集中することで試合を
優位に進める事ができるため、
個人能力の差が実力差となってしまい、
強い個人のいるチームは、
メンバーが力を引き出し合う相乗効果、
すなわちインクルージョンまで
到達しなくても勝利してしまうのだ。
多様な才覚をもつメンバーが揃った状態、
つまりダイバーシティな状態に
達した段階ですでに勝利に到達してしまう。

これが戦力が拮抗し僅かに劣る状況、
つまりひっくり返せる可能性はあるが、
個対個の状況でストロングポイントを
見いだせない局面が訪れた時に
インクルージョンが発動する。
キン肉マンでいいう所の、
火事場のクソ力と友情パワーのセットだ。

そして劣勢にある局面で、
安西先生はこの力を引き出すための
スイッチを押すのが非常にうまい。
海南戦では花道を神に付け
フェイスガードを徹底し、
一方で残り4人で牧をつぶしにかかる。
実にリスキーだがチームの力を
活かしことを選択する。
宮益が入るとトライアングル2へ移行。
あくまでかつ姿勢を貫く。

山王戦では、花道のリバウンドを引き出し、
反撃のきっかけをつくり、
チームの力を引き出すきっかけを作る。
結果、マルゴリが花道に付くことで、
赤木の得点力もチームに戻る。
追撃のきっかけをつくりだしたのは
安西采配であることは間違いない。


選手同士の良さを生かし合い、
相乗効果を発揮しやすい環境を
作ることに秀でた安西采配。
今後の社会構造の変化の中、
存在するメンバー全員が
その能力を発揮し生産性を高めて
いかなければならない時代に
習うべきマネジメントスタイルでは
ないだろうか…

ビジネスシーンでは、
まだまだ仕事オンリーの基幹社員、
時間の制約を抱えた補助労働者、
1995年に日経連が発信した、
日経連「新時代の日本経営」の
形がまだそのままである。
当時は男女の違いではなく、
能力で判断すべきという時代
であったのかもしれない。

今後は補助労働などといって
区分している余裕もなくなるのだ。
全ての人が活躍社員になる必要がある。
これから求められるのは、
そんなインクルージョンスタイルの
マネジメントだ。

安西先生のスタイルにも
是非学んでいきたいものである。 (^^ゞ

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