養成課程71回目は流通業の製品戦略続編「し◯むら」の事例。
2002年当時の資料を基に戦略を検討。
内容をまとめきれなかった部分もあったので講師解説も踏まえ再整理します。
テーマ1:長期継続的に成功を収めている要因と模倣困難(模倣業態が出現してこない)な理由
大きく3つあると考えています。
①顧客にとって魅力あるマーケティングミックスを維持し、それを店舗で具現化し続けて来た事。
・ターゲット:業績下降期に見直しを実施し対象を拡大
・プロダクト:上記に合わせ品揃えを、衣料を中心としたファッション関連の
ソフトグッズに変更。多品種小ロット投入(売り切れ御免)による
顧客にとっての価値の向上を図る
(気に入ったら直ぐ買わないとなくなってしまう)。
・プライス:消費者に価値を提供すべくグレードアップ(を継続)
・プレイス:高速大量出店(ドミナントによる先発優位性)による
規模の優位性を確立(バイイングパワーの向上)
・プロモーション:現在ではタレントコラボレーション等メディアミックスまで発展
②効率がよく生産性の高いローコストオペレーションの確立
・コストの低減についても様々取り組んでいるとは思いますが、
個人的には結果的にローコストを具現化している要素に着目。
例)店舗間商品移動をシステム化し徹底することで、
プロパー消化率を上げ、ロス率5%に抑える
⇒結果、販売員は死筋の処分に労力を割く必要がなくなり、
より生産性の高い業務に集中でき良いスパイラルが生まれる。
③規模の拡大を前提とした事前の仕組み作り
・先を見越した運用の仕組み作り
⇒常に将来◯店舗に拡大したらシステムをこう変える必要がある…
といったプランを立て、店舗増に先立って
仕組み(情報システムを含む)を導入。
店舗が増えても仕組みは破綻をきたさず、
そのまま成長していく事ができる。
・人事施策
⇒特に女性社員(R社員M社員とも)が働き易い環境整備を行い、
「社員第1主義」のもと人を大切にし、
賃金水準も高く維持する事で低離職率を具現化し、
能力の発揮に努めている。
結果、高速出店を継続しても販売員のレベルは維持され、
質的に継続した店舗運営を可能にしている。
また正社員については、ジョブローテーションを頻繁に繰り返し、
全体の構造、仕組みを理解し
グランドデザインを描くことができる人材を育成している。
他にもたくさんあるかとはおもいますが、今回はこの3点に着目。
人の強さは既に組織文化として定着している為、他社には一朝一夕には模倣不可能。
また各項目とも一つ一つが徹底され、有機的且つ一体的に結合することで、相乗効果をが生まれ、
みえる部分だけをコピーしただけでは上手くいかない為、模倣業態がでてこないと整理。
テーマ2:2002年時点での最重要課題とその解決策
幾つか課題は見られましたが、
最重要課題は継続的成長軌道の確保と考えました。
そもそも既存業態は国内1000店舗前後を限界と計画しており、
出店限界点が近づいてきていた。
一方で開発中の新業態は最も大きいものでも、
まだ43店舗売上175億円。
既存業態が2,400億円の
売上を上げている事を考えると、まだまだ小規模。
これを⇒500億⇒1000億と
成長させて行くことで初めて核事業となる。
その成長軌道を早期に確保し
高速大量出店の流れに乗せる事が直近の最重要課題。
継続的な成長が社員の幸せにもつながります。
解決策
①個店の収益力の向上
より一層という意味で、
ファッション性を軸にMDの価値観のグレードアップ、
雑貨品揃えの強化による客単価の向上、
顧客情報ファッション情報等の
分析を強化し商品企画力の向上に取組ます。
②高速出店の強化
SCへの出店強化や複合店舗化など、
既存業態とのシナジーも意識し、出店速度を強化。
といった所でしょうか…
2002年時点での策という事で
現在の情報は敢えて無視している為、
施策つきなみなですが、
短期的にはまずここかなと思います。
また別途後継者問題も課題でありましたが、
その後2005年に無事、
次の代にバトンタッチされたようです。
随分ながくなりましたが、
やはり好業績なだけあって
全方位的に施策が張り巡らされています。
やらねばならぬ事を、MECEに組み立て、
ブランド価値がでるように一気通貫で
編み上げる事の大切さを感じます。
やりたい事だけやっていても
大きな成功はむづかしい事を実感。 φ(..)IE
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