11月3日に中国で第13次5ヵ年計画の草案が公表された。
「中高速成長の維持」を目標とし働き手の減少に伴う経済成長の鈍化を食い止めるため定年退職年齢を段階的に引き上げるとの事。
※11月4日 日経新聞より
先日、一人っ子政策からの転換の話があったばかりだがあらゆる意味で、「まったなし」という事だろう。
少子高齢化に伴う生産年代人口の減少という意味では日本も同じである。
下記添付は2013年の国際労働比較から抜粋したグラフである。
実際、中国での高齢化の進展は日本を上回る上昇率であるが、実際の比率は日本の方が高い。
国内でも既に労働力を確保しにくい業種から労働人口減少の波は訪れている。
飲食、サービス、小売などは既にアルバイトの確保に四苦八苦しており、コスト低減を目的にした非正規社員比率による店舗運営という切り口だけでは
営業戦略を推し進めにくい状況だ。
特に営業時間が長く、深夜に店を開けているところはその傾向が顕著である。
店のロイヤリティを高め、働いてみたいと思われる店作りをし、待遇面も改善していかなければ良い人材どころか、人そのものが集まらない時代が既に到来している。
感覚的には、まだ既存の人員からすると、人手不足感でとどまっているかもしれないが、本質的には、人手は不足なのではなく、「不在」、そもそも存在しないという状況がもう目の前にせまっている。
いくら時給を上げても肝心な人がそもそも存在しないという事では採用のしようもない。
対策は生産性を上げ小人数でも商品、サービスの質を落とさない事。同じ売上でも利益性を高め、必要な投資をしっかり実施して、店のロイヤリティを上げていく事。
そしてその効果で待遇面を改善し、働きたいと思われる店になる事。
などが挙げられるが「言うは易し、行うは難し」である。
小売業の場合は特にいえる事で、結局のところ日々の営業に流されず、
将来に、向けたSTEPを具体的に描き日々地道に取り組んでことが重要である。
小売業の利益改善コンサルタント、中小企業診断士の専田政樹がおくる、店舗の利益改善 虎の巻、【75巻】
STEP5はマーティングテーマである為、冒頭時事ネタを踏まえて進めていきます。
さてここからが本題です。
競合チェックもふたつ目のポイント、「お店つくり/店舗環境」編です。
大きな意味では「売場展開/店設備・インフラ」などを見ていきますが、展開については、品揃えチェックの際に面積構成とレイアウトチェックの話で触れていますので今回は省きます。
設備面/インフラ面というと、購買行動に直接関わるものと間接的に関わるものに分かれます。
混ぜてしまうとわかりにくくなるので、それぞれ分けて分析しましょう。
今回は直接的に購買行動に関わるポイントについてお話します。
扱う商品によって特徴は様々ですが、お客様の利便性を高める為に設置される設備やサービスを想像して下さい。
直接的に購買行動に使用するものです。
差別化要因にはなりませんが、買い物カゴや、生ものを入れるビニール袋、
ショッパーやセロシールなどなど、基本的な販売備品から始まります。
これらは「無い」とマイナスなものですね。
今なら、ショッパー(買い物袋)の有料、無料などはチェックポイントになりますね。袋と連動して、ポイントや、◯円引きなどという対応もチェックポイントです。
生活消費財ですとこんな見方ですが、ブランディング勝負の商品においてはデザインが良い等の付加価値も重要です。
買い物した事が誇らしく感じる事ができるブランド価値とそれにふさわしい、
価値観の高いショッピングバッグがセットになっているとより効果的です。
百貨店は古くからこの効能を活かしています。
そういった意味では、ギフト包装サービスの「有無、質」もこの仲間です。
お客様に贈答品として扱ってもらえるかどうか、店側贈答品をあつかっているという意識があるかないかの分かれ目でしょう。
競合がどちらに位置しているかがわかります。
キャラクルカートの保持台数からはヤングファミリー層にどのくらい重点をおいているかがわかります。
また新生児から使えるベビーカーも同様です。
SCでゆとりのある台数がある事がわかっていれば車で買い物にいく時でわざわざベビーカーをもっていかなくてすみます。
トランクに余裕がでるわけです。
他にはレジのスピードをあげる為にセルフレジを導入する店舗が増えてきました。
レジ人員が確保できない状況ではセルフレジ台数を増やすことで、スピードが上がり顧客の利便性が高まります。
サービスレベルのダウンと紙一重な部分もありますので注意が必要ですが…
自動釣銭機なんかもそうですよね。
導入店ではお釣りの渡し間違いはほとんどなくなり顧客の利便性も高まった事だと思います。
一方でお釣り銭の渡し方が乱雑になっているお店が多く、買い物後になんとも嫌な後味を感じさせているケースが多いのは気になるところですが…
最近では価格チェッカーが置いてあるお店もありますね。
バーコードを読みこませると価格チェックができる設備です。
表示がしっかりしてあれば必要ない気もしますが…
一方で進化を遂げているのは、プロモーション面です。
一昔まえならテレビデオだったのが、大型の画面で動画を流すもの、什器上小型の画面で動画を流すもの、など商品説明を映像で流すタイプ、またチップなどから情報を読み取り、商品をかざすと商品説明が表示されるもの、AR技術を使って仮想体験できるもの(服をかざすと着用したような画像が移る)ななどIT技術の進展による付加価値を伝達する設備の急速な進化は見逃せません。
競合店がこのようなものをどの程度導入しているかを図るとともにホントに効能がある手法なのかどうかも冷静にみて、判断したい事でもあります。
しかし1つ言える事は、そのようなものを導入している競合は、お客様に自店の商品、サービス、あるいはブランドの世界感を伝えようという意識がたかく、その努力を設備投資という段階まで具現化させているという事実です。
あなた自身のお店も顧客層にあった努力をしていて手法が異なるのであれば問題ありませんが、もしその努力を始めていなかったとしたらこの差は非常に大きな差となってしまいます。
そのあたりのセルフチェックの機会にもなりますから
直接的な購買行動に関わる設備面はしっかりとチェックしていきましょう!
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