分類毎の売上の波動を複合し、
売上、在庫、売場を連動させれば、
生産性は急上昇する!
小売業の利益改善コンサルタント、
中小企業診断士の専田政樹がおくる、
店舗の利益改善 虎の巻、
【67巻】です。
今回は、3つの構成比を使って
「売場を操る」事によって
どんな成果が上がるのか…
という事をお話させていただきます。
ポイントは3つです。
①売場全体の生産制が向上する!
構成比で捉える為には、
重点のみピックングしている
状態では出来ません。
全体をグリップしないと割合が
出せないからです。
一方で全体をグリップするという事は
細部まで決めないとできません。
これが重要なポイントです。
重点のみを考えていると、
どうしても売場のいい場所で
重点分類を売り込む事で
終わってしまう為、
売場の隅々までお客様を
誘導させようとする
意識が低くなります。
すると、売場の隅々まで
お客様が回遊しなくなり、
より生産性の高い場所と
そうでない場所の格差が広がります。
隅々までグリップすることで、
売場の端においた分類にも
意味をもたせる事につながり、
お客様を引込む事ができるのです。
その為、店全体の
生産性が向上するのです。
売場奥の売上も向上させるわけです。
②売場の効率性が高まる!!
3つの構成比のバランスが
とれている状態というのは
売上に対して適正面積が
付与されている事になります。
売上の高い分類でも、
低い分類でも広すぎず、狭すぎず…
という状況になります。
売上が高い分類でも必要以上に
面積を使用すればムダが生じますし、
他の分類の商品の訴求がしにくくなる為、
お客様に商品を見つけて貰えないという
状況も発生します。
そのバランスが取れていれば、
効率の良い売場となるのです。
③計画の共有によるチーム力の向上!!!
3つの構成比を基に、
先々の売場展開のストーリーを
共有する事でメンバーの意識が統一され
次の、更に次の売場展開に向かって、
計画的に進行させていく事ができます。
63巻から65巻で扱った札幌の
店舗の事例でいえば
夏から20度までの間の売場、
→19度を割り込むときの売場
→15度を割り込むときの売場
→初雪の時の売場
→積雪期の売場
といった具合に変化するわけですから、
その時の売場はこんな展開にするぞ!
という案を立案し共有しておきます。
そうすると、各自の分担にあわせて、
19度になった時はこうなるのだから、
この分類はもう縮小して、
こっちの分類の商品をおさえておいて…
という準備が可能です。
そして事前にそろそろ19度を割りそうだから、
店のメンバーの出勤状況にあわせて、
いつ、どんな段取りで作業をするかを
決める事ができます。
フォローして売り込む商品、
もう縮小する商品の判断が、
個別にバラつく事もありません。
こういったコントロールの基準がないと、
まだ売れると判断する人、
そろそろ終わりかなと判断する人で
店全体でばらつきが発生し
バランスが崩れてきます。
3つの構成を2ヶ月~3ヶ月くらい
先までおさえておくと、
仕事そのものを前倒しで
計画的にしていくことができるのです。
構成比をしっかりと使いこなす事ができれば
こんなに良い効果がでるのです。
近年システム化が進んでいるので、
何も計算しなくても構成比が
表示されている事が多いと思いますが、
自動で表示されてしまっているが為に、
重点部分のみをピッキングでしか見ていないケースや、
そもそも構成比を見ていないケースなどもあるでしょう。
全体を見て初めて効果があがりますので、
その点はご注意下さい。
細かい作業も多くなりますので、
確かに手数はかかります。
正直なれるまでは大変でしょう。
しかし、ここを乗り切るとお店の力は
飛躍的に上昇します。
ここが踏ん張りどころなので、
みなさん頑張っていきましょう! (^^ゞ
↓各ステップのリンクはこちら