【在庫】をうまく
コントロールできるかが
利益増減の岐路である!
小売業の利益改善コンサルタント、
中小企業診断士の専田政樹がおくる、
店舗の利益改善 虎の巻、
【47巻】です。
さて、前回は在庫の奥行きについての
お話をさせて頂きました。
ひとつの商品を販売するにあたり、
最後に売り切る所までを
含めて考える必要があり、
売り切った段階でいくら
儲けが出たかが決まる訳です。
正価で沢山売れて
儲かったような気がしても
実際に計算してみると、
最後の売り切り価格が
原価を割っている場合や、
最終の廃棄が発生している場合など
意外と儲かってないぞ…
というケースも多々あるわけです。
特に廃棄が発生する
ケースが危険です
前回、次は品揃えの話と申し上げましたが、
その重要性を理解して頂く為に、
まずは1つの商品で考えてみます。
例として、トマトを売ってみましょう。
自分で仕入れて自分で売る感覚で
考えて見てください。
1袋売価500円、原価350円で
20袋仕入れたとします。
正価での儲けは1個150円で、
売価の30%となります。
※計算しやすく丸めた数値です。
12個、正価で売れたとします。
売上は6000円、儲けは1800円です。
夕方売り切る為に
値下げして400円で販売しました
そこで5個売れました。
売上は2000円、儲けは250円です。
残りの3つは残念ながら
閉店まで売れ残ってしまい、
廃棄をすることにしました。
儲けはマイナス1050円です。
合算すると、
プラス分が2050円、
マイナス分が1050円、
結果の儲けは1000円です。
売上金額は8000円です。
儲けの割合は12.5%です。
20個仕入れて17個売って、
3個廃棄くらいだと、
肌感として儲かって
いそうでしょうか?
1個あたりの利益幅の
大きい商品だと
これでも大丈夫ですが、
利益幅の小さい商品では
これでは利益はでません。
このケースでは、
売場の家賃や水道光熱費、
人件費、包材などなど
様々な経費の合計が
売上に対し12.5%以下でないと
黒字にならないという事です。
そのくらい在庫の運用というのは
重要だという事です。
トマトという商品であれば、
値下げ幅を細かく刻む事や、
他の値下げ品と合せて一気に
売り込むなど、
少しでも多く現金にし、
廃棄を減らす事で儲けを
残しやすくなります。
ただし、言うまでもなく
傷みが出てきても
さらに値下げして売るというような
お店の品格を落とすような行為は
避けなければなりません。
実際のお店では商品は
ひとつではありませんが、
基本的にはこの考え方の
集合体である事は事実です。
閉店時の廃棄数量を
消しこんでいく、
という作業は厳しいものが
あるかもしれません。
しかし、利益幅が小さい商品であるほど、
単品でしっかり管理をしてないと
締めてみたら利益が残らない
原因になる訳です。
とくに利益がでてもでなくても、
賃金に影響がない働き方をしている
人ほど管理は荒くなりがちです。
この層に、考え方を伝え、理解してもらい、
きめ細かな管理を浸透させられるか、
このポイントが、利益をだせるか
否かの大きな別れ目になります。
次回はお店全体に浸透させる、
在庫を処分する際の
3つのポイントについて
具体的な内容をお話します。
これができれば、
逃げ方が上手になり、
売上が変わらなくても、
儲けを増やすことができます。
お店を守る【シンガリ】を
務める方、必見です! (^^ゞ
↓各ステップのリンクはこちら