みなさん こんにちは!
中小小売業の利益改善コンサルタント
中小企業診断士の専田政樹です。
店舗の利益改善 虎の巻【20巻】です。
はやいものでもう20回を迎えました。
読者の皆さんお付き合いありがとうございます。
STEP3【人間の行動科学基づく売場作り】の
7回目となります。
前回までは、
マルチチャネルから
クロスチャネルへの変遷、
そして現在進行する
オムニチャネルへの進化の
状況についてお話を致しました。
いわばIT技術の進展に対した
消費行動の変化です。
今回は社会情勢の変化に対し、
どのように消費行動が変化してきたか、
現在どのような状況へ向かっているか…
というお話です。
さて遡ること約70年、
日本は戦後の焼け野原からの再興へ
向けてあゆみだした頃です。
生活の為の物資が不足し、
都心の在住者は食料生産地へ赴き、
物々交換で食料を手に入れる
ところから始まります。
その後、すこしずつ復興をしていき、
やがて高度経済成長時代に入ります。
一方で物不足はなかなか解決しません。
成長過程の中で人々の生活は徐々に豊かになり、
消費意欲も向上していきますが、
物はなかなか充足せず、
バーゲンともなれば人々は競って、
商品をとりあいました。
そんな中、徐々にものが行き届き、
物不足の状態から脱していきます。
食べるものも、着るものも、
人々は欲しいものを手に入れる事が
できるようになっていきます。
一方で高度成長から安定成長時代を経て、
経済はバブルを迎えます。
物が充足してきて、よりよいもの、
より気に入ったものを欲しいという
感覚がよりはっきりしてきた時代に、
たまたま未曾有の好景気であった事、
また消費意欲そのものは旺盛であった事、
などが隠れ蓑となってしまい、
物が充足して商品をより好みする変化が
おきているとは捉えにくかったのです。
つまり【売手市場】から【買い手市場】へ
変化している事に気が付きにくかったわけです。
そしてバブル崩壊を迎え、
失われた10年・就職氷河期時代などと
よばれた時代が訪れます。
ここでは急激に経済が冷えた事で、
人々の消費意欲は減退します。
今度はこれが原因で、売れない理由は
「景気が悪いからだ」、と
捉えてしいやすく、
【売手市場】から【買い手市場】へ
と変化している事に気が付きにくい
状況となっています。
しかし、少なくとも、
バブル期以降は、需要に対し
商品供給力の方が上回っている為、
お客様は平素のくらしの中でも、
商品をより好みをするようになっています。
つまり、物が不足する商品の作り手優位から、
お客様の方が優位な時代になっているのです。
ここに先に気がつき、
行動におこした人から勝ち組みとなります。
ふんぞり返っていても売れた時代の
幻想を見続けていると
どんどん落ちていきます。
この後は世の中の状況や出来事に合せ、
お客様の消費行動は変化していきます。
例えば、【メリハリ消費】という言葉を
記憶されているでしょうか?
バブル崩壊以降のどん底から、
立ち直りを見せ始めた頃だったでしょうか?
日常生活を中心に財布の紐を
締めるところは締め、
使うときにはどーんと使う
タイプの消費です。
不景気時代、デフレ時代に
消費者が身につけた、
防衛的ではあっても、
消費は楽しみたいというスタイルです。
そのちょっと前は、我慢するという
時期が続いていましたがなんでもかんでも
我慢では辛い…といった感じでしょう。
その次の段階では【スマート消費】という
表現がでてきました。
ちょうどスマートフォンが出始めた時期でも
あった為、語感も良かったのだと思いますが、
メリハリ消費をよりスタイリッシュに洗練した
形で【スマート】=【賢い】と呼ばれました。
このあたりまでが、2010年前後、
震災前までの流れです。
次回はこの続きです。
お楽しみに! (^^ゞ
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