小売業の利益改善~STEP3③ 人間の行動科学に基づく売場作り~A:人間の行動科学で考える Vol.3

みなさん こんにちは!
中小小売業の利益改善コンサルタント
中小企業診断士の専田政樹です。

店舗の利益改善 虎の巻【16巻】です。
STEP3【人間の行動科学に基づく売場作り】の
3回目となります。

さて、今回は売場での距離のとり方の
クイズの解答・解説です。

とその前にひとつ反省とお詫びです。
このブログを読んで頂いた方と
コミュニケーションをとりたくて
クイズ形式にしたのですが、
「わかった」って書いてと言っても
どうかと思いますよね。

最初は答えを書いてもらおうかと
思っていたのですが、
あとから読んだ人に答えがバレちゃうな…
と思って考えたやり方だったのですが…
もしその気になっても、
わざわざ紙に書いて計算してから、
答えでもなく、「わかった」って書いて‥

大変失礼いたしました。
反省して、もうちょっとやりかたを考えます。

では、距離の話に戻ります。
計算するのにはみなさんも、
昔、学校でならった直角三角形の
辺の長さの公式を使います。
45度・45度・90度の三角形の辺の比率は
①1:1:√2(1.41421356)です。
「ひとよ、ひとよに、ひとみごろ」です。

30度、60度、90度ならば、
②1:2:√3(1.7320508)です。
「ひとなみに、おごれや」です。
※改訂されていたらごめんなさい

いやー実に懐かしいですねぇ。
これを使って計算します。
っというか学校の数学って
使う場面があるのね‥‥
くらいの感じの方もいらっしゃるでしょう。

という事でまず①からいきます。

幅900を三角形の底辺にとりますので、
1:√2=900:Xです。
X=900×√2=636mmとなります。
ななめの目線は636mmあるという事です。
今度は三角形を半分に切ります。
1:√2=X:636=450です。

つまり450mmとれていれば、
90度の視界が確保できるという事です。
数学が得意な方は、
初めから、半分に切れば、
什器の半分の長さと同じなことに
気がついたのではないでしょうか?

次はよく見えるには?
60度の視界におさめる距離を計算します。
この場合は3角とも60度の
正三角形になります。
つまり3辺の長さは同じです。
実に懐かしいですね(笑)

什器の幅が900mmなので、
それぞれ900mmとなります。

次に正面の距離を図る補助線をひきます。
すると両端の60度は維持、
正面奥は90度、
残った正面は30度、
結果②の公式を代入する三角形となり、
1:2:√3を使う事になります。
正面の距離をXとすると、
2:√3=900:X
X=900×√3/2=約780mmとなります。
900mm幅の什器をから
よく見える視界を確保するには、
什器幅×1.7/2 といった感じになるのですが、
シンプルに、「什器幅よりちょっと短いくらい」で
いいのではないのでしょうか?
比率を無理やりいれるなら什器幅の約85%です。

実際に計算してみていかがでしたか?
通路幅はお客様がすれ違える幅をとりましょう…
といった話は多く出ますが、すれ違えるという話と、
売場のロケーションに合わせて、
お客様から商品がしっかり見える適正な距離は
考え方の出発点が違います。
すれ違えても商品がよく見えなければ、
素通りされてしまう確率が上がってしまいます。

ですが、毎回うだうだと計算していては
日が暮れてしまいます。
なので、今回計算した2つの距離感を
おぼえておけば大丈夫という訳です。

結論をまとめると、
・視界を90度取るには什器幅の半分(50%)
・視界を60度取るには什器幅より
ちょっと短いくらい(85%)

という事は50%~85%の間が
適正だという事です。
距離が開けすぎると物体として小さいものほど、
認識しにくくなりますし、
スペース効率も下がっていきます。

売場の先頭なのか、
中程の場所なのかでも異なります。

そのあたりの条件を考慮して
什器幅の50%から85%確保できていれば
おおよそOKです。

という事で、
「売場を隅々まで使い切る」為には
まず、什器1台、1台が
生きている必要がありあす。
通過できる事を主に考えた通路ではなく、
商品がよく見えるための距離が
確保された売場である必要があるのです。

あなたのお店もできているかどうか、
一度点検して見てくださいね。
お店の基礎体力が向上しますので (^^ゞ

↓各ステップのリンクはこちら

STEP1 まずは賢いお金の使い方 – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP2 商品ロス削減による足場固め – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP3 人間の行動科学に基づく売場作り~VMD – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP4 3つの構成比で売場を操る – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP5 3C分析を使いこなして強みを強化 – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP6 権限移譲で多店舗展開を成功させる – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP7 お客様と長く付き合う – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
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