みなさん こんにちは!
店舗の利益改善 虎の巻 【第11巻】です。
前回は商品ロスの1つ目、
「外部ロス=万引き」について
のお話をさせて頂きました。
今回は内部要因についてです。
【第8巻】で商品のロスがどのようなものから
成り立っているかを紹介しました。
1位の万引きの後は以下のようになっていました。
2位:従業員による盗難
1451億円 18.5%
3位:管理上のミス
1290億円 16.5%
4位:業者による不正
564億円 6.9%
この3つが大きくいう【内部要因】です。
これから順番に説明していきます。
今回は従業員による盗難をテーマとします。
これについては実に様々なものが存在します。
①商品の横流し、転売、換金
②商品の持ち出し→私的使用や流用・他者への便宜
③廃棄品の持ち出し→私的使用や流用・他者への便宜
④不正な値引き→私的使用や流用・他者への便宜
⑤不正な行為の見逃し→他者の便宜
⑥その他もろもろ
といった感じです。
「盗難」という切り口で値引きなど
商品の一部分の被害も盗難としてあげています。
不正行為の分類にも入りますが、
対策上は、お仲間という事でセットに
なりうるので「この項目」に入れています。
さてどれも悪質(過失ではなく故意)であります。
一見すると①から順に損失が高そうにも感じますが
下に行くほど頻度が高いので、
総合的に見ると、
どちらが損失が大きいかは、はかりかねます。
その為、、
どれも故意で悪質だと捉えるべきです。
「①」の実行者は
おそらく犯罪を行っている
自覚をもっていますが、
下にいくにつれ故意で
あるものかかわらず
麻痺してしまい、
習慣化してしまうのも
特性でしょう。
どんなものかを例に上げていきます。
「①」商品の横流し、転売、換金
これば完全に犯罪のパターンです。
映画「スーパーの女」をご覧になられた事が
あればまさにあんな感じです。
こちらの作品では、精肉の責任者が、
高級な肉を横流し、転売し
私腹を肥やしていました。
また、別事例ではこんな話があります。
ある売場の責任者が商品を
横流ししていたのですが
棚卸しの際に該当箇所の数量を
きっちり修正していくのです。
在任中は本人が毎度修正記入を
している為、発覚しません。
このケース、人事異動で
人が変わった直後に発覚しました。
そりゃまともにやったら
合うわけがありません。
この手の事例は本人に自覚がしっかりある為、
隠蔽行為もセットになっています。
「②」商品の持ち出し→私的使用や流用・他者への便宜
こちらも自覚がしっかりあるタイプです。
やっている事は①と大差はありませんが、
自分で使ったり、他者に譲ったりで(小銭稼程度)、
塊での換金を目的にしていないタイプです。
商品の種類が小さいものや、
単価の低いもの、今人気のあるもの、
日々消耗するものなどが増えてきます。
店頭で販売している商品や、
バックルームの在庫を持ち出すので、
本人には自覚もあり隠蔽しなければ、
との意識もしっかりあります。
このあたりまでは本人の
意識がしっかりあります。
「③」廃棄品の持ち出し→私的使用や流用・他者への便宜
さあ、このあたりからが本人の自覚が薄れ、
麻痺し始めるゾーンに入ってきます。
例えば「生鮮食料品、お惣菜、寿司、弁当」など
を扱っている売場で廃棄品についてのルールを
決めていなかったとします。
一定の価格まで下げて
売れなかったら、
あまり値下げしすぎて
店舗のロイヤリティを
さげてもいけないので
販売をやめて、
バックルームに引き上げます。
よくある話です。
捨てるのも
もったいないので、
売れ残って廃棄になったものは、
まあもって帰ってもいいよ…
としたとします。
さて、当初はラッキーというレベルですが、
だんだんと状況は変わっていきます。
自分のもって帰りたい商品を
持ち帰る分だけ過剰に発注や生産を
するようになっていきます。
余力を持つからますます当初よりも
本来の廃棄そのものも増えていきます
そして本人達にしてみれば、
ルールに許容範囲内でやっているので、
悪質な行為を「故意」にしている認識は
慣れと共に薄まっていきます。
かくして儲からない風土が
構築されていくのです。
一方値下げが多発される事で、
お客様は値下げ慣れしてしまい、
正価では買ってくれなくなります。
まともに買うのが
バカバカしくなってきますから。
こうして内的にも外的にもダメになり
店舗はバッドスパイラルへと
落ちていきます。
だいぶ長くなってしまいましたので、
今回はこの辺にして、
次回続きをお話します。(^^ゞ
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