皆様ご無沙汰しております。
さて2015年の第3四半期の発表から表題のような結果が見えていたとはいえ、ついにGMS2強の一角が創業以来の赤字転落に陥った。先だって年明け社長は退任している。グループの母体であり屋台骨の存在ではあったが、その存在は今はCVS事業がとって変わっており、コンビニ事業の発展に注力することがグループの発展に寄与する・・・的なコメントもでている。生活インフラとしては重要だとしても、事業としての利益構造は非常に厳しい。なぜこんな状態になっているのだろうか?
15年度の国勢調査でも初の「人口減少」が報じられたが、今後高齢化と人口減少は加速し、回復する基調は全くない。つまり、日々の実需に対し、商品を提供するスタイルの小売業のマーケットは縮小する一方であるということ。新興マンションが新たに建築されるなど、局地的な状況以外では、とにかく縮小するばかりである。今回の赤字転落の発表の中で、もともと計画されていた40店舗の閉鎖を前倒しすることも上がっている。閉鎖するにもエネルギーがいるため、少しでも余力があるうちに手をつけるのは企業としては正しい判断である。
一方で生活者にとってはどうだろうか?少し前の時代であれば、近隣に競合店や、自社店舗の出店で、お客様の支持を失った既存店を閉鎖するというパターンが多かった。つまり地域には別のもっと良い(新しいだけかもしれないが)店があるわけだ。
ところが、徐々に事情は変わってくる。ついに高齢化段階から人口減少段階に入ったことで、今まで以上にマーケットの縮小は加速する。よく胃袋の数、という例えを耳にするが、胃が小さくなる、から遂に数が減り始めたわけだ。その結果、従来のビジネスモデルでは支えきれない店がでてくる。もし地域に1店舗しかなかったとしても、損益分岐点を割り続ければ店は持たない。結果閉店に追い込まれると、地域に買い物をするところがなくなってしまう。買い物難民の発生である。
そして、この現象は人口減少問題に悩む地域から始まる。すでに過疎化が問題になっているような地域が典型例だ。ただでさえ若者の離脱で苦しんでいるところに、平素の買い物にも事欠くような不便さが加わればその動きはますます加速する。小売業の役割は事業の収益だけでなく、地域生活を左右する重要な問題なのである。
そういった意味でも小売業がしっかりと利益を出し続け、良い状態で継続していくことは、社会にとっても非常に重要な要素なのである。
今後ますます加速する少子高齢化と人口減少、シュリンクするマーケット。しっかりと利益を出せるよう、業務改善をくりかえす事が、常に重要な課題となる。
そして働き方改革も非常に重要になる。基幹労働者+補助労働者の日本的働き方が最も合わない業種であり、インクルージョン型経営(従業員ひとりひとりの良さを互いが活かしあい相乗効果を生み出す働き方)への脱却がもっとも効果を発揮する業態でもある。
ゆでガエルになる前に、1日も早く改革のスタートを切る事が大切になる。生活者の為にもなんとか頑張って欲しいと願うのであった。 (^^ゞ
↓各ステップのリンクはこちら