皆様こんにちは。中小企業診断士の專田政樹です。

 

今回のお話は先日発表された以下に記事の中に私が平素から感じている重要成功要因を発見したのでそのポイントについてを記させて頂きました。

 

資生堂が挑む“本音”の女性活用 「女性が活躍する会社」2年連続1位企業の進化

 

さっくりいうと、

①まずは1990年から取り組んできたジェンダー問題の成果がしっかり現れ、女性の活躍のベースができてきたという事。

 

以下抜粋

 

「女性が働きやすい会社」とのイメージが強い同社は1990年に育児休業制度の運用を開始し、1991年には1日2時間まで通常の勤務時間を短縮できる制度を導入。事業所内に「カンガルーム汐留」と呼ばれる保育施設を設け、法定を上回る両立支援体制を整えてきた。

それでも子育てとの両立を困難に感じて、辞めていく美容部員は多かった。そこで2007年、美容部員が通常より勤務時間を短縮して働く分、代わって顧客対応などを行う社員を店舗に派遣する「カンガルースタッフ制度」を設ける。2008年には、子供が小学校3年生を終えるまで時短勤務で働ける体制を整えた。

成果はすぐに表れる。

美容部員の時短勤務制度取得者数の推移を見ると、2007年度を境にその数は一気に上昇。2011年度には1000人を超え、この10年でおよそ3倍に増えた。

 

 

 

②進展に伴い次の段階として新たな課題が発生してきた事。

 

以下抜粋

一方、店頭の現場ではひずみが生じた。

時短勤務を選択した美容部員の多くは朝出勤し、夕方5時に帰る早番のシフトに入る。結果、昼頃から閉店まで働く遅番は否応なく独身の美容部員などに偏りがちに。徐々に不満の声が漏れてくるようになった。

「時短勤務の人たちが早番に入る分、土日や遅番のシフトが回ってきて負担が大きい」

「子育て中の人ばかり優遇されるのは不公平。もっと平等にしてほしい」

時短勤務者を支えるカンガルースタッフを増やすか、それとも美容部員の働き方を変えるか ──。

 

 

 

③この課題をクリアする為に時短勤務者にも、遅番や土日勤務のシフトに組み込むという決断をした。一見そりゃそうだと見えそうなこの施策だが、当事者達にしてみれば、現状の時短制度をベースに生活(保育園など)を形成しているし、実際やるとなったら子供の面倒はどうするの?といった解決できるか否かは個人別に状況が異なり、反発というより無理なものは無理という事でせっかく育てたメンバーが退職する事にもなりかねない。そのくらい切実な話である。会社側も、もちろんリスクも覚悟して判断を下しているはず。

 

以下抜粋

検討の末に人事部が打ち出したのが、時短勤務を選択する社員も原則として全員、2014年4月からは遅番や土日勤務のシフトに組み込むとの方針だった。

美容部員の役目は、顧客に商品の価値や魅力を直接伝えつつ、消費者の声を拾い上げること。「ステップアップのためには、繁忙期に店頭に立つことが必要だ」(資生堂人事部課長国内事業人事グループリーダーの本多由紀)。

 

とはいえ、幼い子供を抱える美容部員たちに負担を強いずして、勤務時間帯は変えられない。「(美容部員たちの間で)ノイズが起こることは覚悟していた」(本多)。

 

 

 

 

 

 

 

④ここで今回のターニングポイント。ひとつは悪者は人事が請け負うという事。ふたつめは営業部長にカウンセリングについて権限委譲し、方針は揺るがせないものの個別の事情に対する対応を任せた事。これによって現場での話合いは向き合ったものになった事が想像できる。

ここで普通に考えたら…「こんな感じ」というのを想像してみて欲しい。

 

現場での会話例の勝手なイメ-ジ(笑)

 

会社(人事)から通達を受けて

→販売員(以下販)「ちょっとこれってひどくないですか?約束が違う…今の制度だから復帰したのに…」、

営業部長(以下営)「まぁ…気持ちはわかるが、これも会社が決めた事だから、俺もどうにもできないんだ。悪く思わないでくれ…」

ってな感じ。どうでしょう現場のモチベーションはあがるでしょうか?

よくあるパターンといった意味で多少の違いこそあれ、おおよそこんな感じかなと。

 

 

 

以下抜粋

 

そこで人事部は、働き方の改革を実行する半年以上前から入念な準備を始めた。

まず、美容部員の上司に当たる営業部長の元へ出向き、働き方改革の意図を説明した。さらに営業部長が時短勤務中の美容部員と個別に面談し、個々の状況を考慮しながら、遅番や土日のシフトについて話し合うよう要請した。

 

営業部長と人事で面談の予行練習も実施した。その際に人事部が用意したのが、「NGワード集」と「回答事例集」だ。例えば、「あの人より遅番の回数が多いのはおかしい」といった不平等を訴える声には、「一人ひとり状況は違う」「できる範囲で融通し合う、配慮の気持ちが大切」と伝えるよう指示。「保育園が見つからない」「夫の協力が得られない」といった声に対しては、「キャリアは自分で創り上げるもの。自己責任において対応する姿勢も大切」などと促しつつ、特別な理由がない限り遅番の免除には応じないよう念を押した。

こうして営業部長への“根回し”を済ませた上で、2013年秋に全国の美容部員向けにDVDを配布した。

◇涙を流した美容部員たち

冒頭で映し出されるのは、「育児と仕事の両立 新たなステージへの進化」というタイトル。続いて美容部員出身の常務・関根のメッセージ映像が流れる。

「当時は夢のようだと思っていたもの(制度)が、月日がたつにつれて『取るのが当たり前』になり、感謝がなくなる。甘えが出てきたり、権利だけを主張してしまったり。取らせる側も理解が不足していたり。双方に摩擦が出てくるのは、すごく残念なことだと思います

関根の率直な言葉に、「多くの美容部員が戸惑いを感じつつも、涙を流していた」と、本多は当時の様子を語る。

心を揺さぶった直後、人事部長が画面上に現れる。「一人ひとりの事情に対応する制度などというものは、世の中に存在しません」との言葉に続き、「働
く時間や曜日、場所は『会社が決定』します」「早番・遅番、土日の勤務、自宅から近いお店への派遣希望などは“会社側配慮”の範囲であり、本人に選択する権利はないことを確認してください」と告げられる。

 「美容部員にとって嫌な話は、すべて人事がやると決めていた」(本多氏)

当然、社員は動揺する。そこで営業部長の出番となる。個別の面談を通じて美容部員の不安を受け止めつつ、各スタッフの育児の状況やサポート体制について確認し、できる範囲で遅番シフトを取り入れるよう促していく。

美容部員の受け止め方は様々だった。

「午後5時に帰れないのなら意味がない」

そんな否定的な声も上がったが、中には「早番のみの働き方に違和感を持っていた」「時短勤務制度を使いやすくなった」といった前向きな声もあった。結局、この改革を機に退職したのは、約1200人いる時短勤務取得中の美容部員のうち30人ほどにとどまった。

周囲の部員にも変化が表れた。「『育児中のスタッフの遅番を少しでも減らせるよう、私が頑張ります』など、互いに配慮する意識が高まった。理想の職場に近づいてきた」(本多)。

 

 

 

繰り返すが、この事例では「人事」が悪役を貫き、営業部長に権限委譲をして個別カウンセリングを担当させているところがポイントだ。特に後半部分の影響が大きい。何故なら、女性の活躍推進という話からもう一歩踏み込んでダイバーシティマネジメントとなると、最も大きく影響を受けるのは、「既存のルールに従って出世し、決定権や予算権を得ている既得権益者」だからだ。彼らは時代の変化による働き方の変更に対し、抵抗する可能性がある。これまで培ってきた働き方で権益を得ているのに変えたくない(現状維持したいという慣性が働く)、または働き方を変えることによって権限が弱くなるリスクに気付いている。また年齢的にも新しい事にチャレンジするエネルギーやメンタル力が弱っている・・・などなど理由を上げれば枚挙にいとまがない。ともすれば抵抗勢力となりかねないメンバーである。そのメンバーを最初に味方につけ、個別カウンセリングを担当させ、一定の裁量権を与えた。これにより活動の推進側にまわってもらえた事で、現場の販売員と合せ、両者の会話がモチベーションを高める方向に向かった事が想像できる。(実際はかなりの修羅場であったであろうが…)つまり現場を取り仕切る管理職層に先行して権限を与え、(且つ悪者は人事がかってでて)ダイバーシティ推進のエネルギーとした点が重要な成功要因である。(複合的に施策を打っているので当然他にも要素はあるが私の着目ポイント)という事。あくまで記事を読んでの推察になるのではあるが…

 

 

 

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さて、結論!

 

経営方針に沿って全社をあげて一定方向にベクトルを向かわせる仕掛け作りがなければダイバーシティマネジメントは成功しない。

 

社内にコンフリクトが発生しては上手くいかない・・・

 

否、衝突したとしてもひとつのベクトルを設定し、それに向かっていれば、多様性はむしろ発展に向かう!似たもの同士では生まれないあらたな知恵を産みだして!

 

既存の戦力を活性化し、生かしきる事が、成長の鍵をにぎる!

 

 

 

 

 

と言うことで、わかりやすい成功事例でしたので、詳細に渡り紹介させて頂きました。

 

是非添付の記事も直接ご覧下さい(^^ゞ

 

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著者プロフィール

専田 政樹(弟)
専田 政樹(弟)中小企業診断士
7&iグループ出身。
大企業10年、中小企業10年のマネジメント経験を活かし、制度構築、業務改善、人材育成等で企業支援にあたる。
企業在籍中に管理部門責任者として営業利益▲3%から1年で+0.5に改善した実績をもつ。
多様な人材の能力を引き出し相乗効果を出すダイバーシティマネジメントを専門分野とし、既存人材活性化を得意とする。