アフターコロナの人材育成~オンラインを活かす育成プログラム構築法

O2O(オンラインtoオフライン)型教育研修時代へ

 皆さん「メビウスの輪」をご存じでしょうか?
こんなやつです。
 少し前にマーケティング系のジャンルで
O2O(オンラインtoオフライン)が話題になった時に
よく使われたイメージ図です。

 この時は、スマートフォンの普及によって、
オンラインとオフラインの切れ目がなくなり、
ショッピング言えば、検索しながら買い物を
楽しむように変化したことを表していました。

 本記事のテーマである人材育成のジャンルでも
これからまさにO2Oの変化が訪れるでしょう。
今回はそんなテーマです。
 1万字弱ありますので、まず概要を示します。
気になるポイントをご覧いただければ幸いです。

はじめに

概要

大きなテーマは
①企業の人材育成におけるオンラインと
オフライン(リアル)をどのように捉えるか
②より効果の高い育成プランを構築する方法論」
の2つです。

目次

以下の7つテーマで進みます。
1:この春、歴史が変わった~30年に一度の転換点!
2:人材育成も未曾有の大転換
3:今まさに検証するとき
●●●この先どう進むべきかを冷静に考える視点
4:オンライン研修のメリット、デメリットと
●●●教育プランの構造作り
5:集合教育におけるオンラインの効果
6:OtoO型人材育成プラン設計のポイント
7:まとめ

誰向けの記事か
~この記事読んで役に立つのは?

 以下のようなお悩みをお持ちの方を対象に
上記テーマについて具体的に論じております。

1:オンライン研修を活かしていきたいとは思うが、
●●本当に効能がだせるのかを疑問に思っている方

2:会社としてオンライン化を進める方針だが、
●●どのように構築すればよいか悩んでいる方

3:人材育成の効果を高める為、
●●改めて自社プログラムを検討したい方

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この記事関連で弊社が展開する支援策
~自己紹介を兼ねてお知らせです~

1:人材育成プログラムの構築支援
2:オンラインを活用した研修の実施
●●①研修コンテンツ策定支援
●●②研修の実施(講師派遣)
3:行動変容に向けた受講者の個別フォロー

では、本題に入ります!

1:「この春、歴史が変わった」
   ~30年?に一度の転換点!

 この春、コロナ禍の影響を受けて
世の中は劇的に変化しました。
この先、5年くらい先に
日本のライフスタイルを振り変えると、
「この時、歴史が変わった…」という
転換点となるでしょう。
昭和、平成の時代を
ひとくくりで「昔は…」と
括ってしまうくらいの激変です。

 1975年生まれの私としては、
1990年代後半に起きた
「携帯なし時代→携帯あり時代」
以来の30年ぶりの大波です。
 スマホ普及も大きな変化でしたが、
ポケベル→携帯→写メ・メール→アプリ…と
断続的に進み、電話+PCとなったのが
スマホという流れであり、
私的には利便性の向上という意味で
携帯の進化と捉えています。

 この例でいえば技術革新と
その普及を要因にジワジワと
変化が進みました。

 一方で今回は、後から振り返ると
「この半年」が転換点となるはずです。
今、我々は時間の経過を線で感じていますが
将来振り返ると半年という
非常に短い「瞬間」となるのです。

 これまでも、人口減少社会で
生産性の向上を図るため
「働き方改革」を筆頭に、
「テレワーク」、「時差通勤」など
様々なキーワードが用いられてきましたが、
古き良き日本的働き方への組織慣性も含めて、
遅々として進行しなかった…
といっても過言ではないでしょう。

 ところがどうでしょう…
人間追い込まれると行動が変わります。

 かつて工業で人手が不足した時に
機械化が急激に進捗したのと似ています。

 皆さん実感の通り、
在宅ワークにリモート会議が
あっという間に当たり前になりました。

 すると今度は仕事における
マネジメント上のテーマ(課題)も
遠隔管理にスライドし始めています。

 ずっとカメラをオンにして
仕事をするよう指示し監督する…
といったマネジメントスタイルがある
といった笑い話もでています。

 旧態依然とした
「仕事をしている様子を観察する」
見守り型マネジメントから、
計画管理型へのシフトが
ますます重要となっています。
 ※これまでもずっと言われていたのが
  リモートワークによって
  炙り出されたというのが実態でしょう

2:人材育成も未曾有の大転換

 では、本題の人材育成については
どうでしょうか?

 こちらもこの春は、
まさに大転換期となりました。
 もしコロナ禍がきていたのが
秋だったとしたら…
ここまでの激変には
ならなかったかもしれません。

 再三繰り返されたキーワード
「不要不急を避ける」に対し、
人材育成全体についていえば
効能が中期に及ぶため
「必要であるが、不急である」と
いったものがそもそも多いのが実態です。

 そのため、多くの取組が、
延期・中止・様子見となりました。

 そんな中、タイミングが
春であったことが世の中を大きく動かします。
「必要で急を要する」案件があったからです。

 そう、新入社員研修です。
日本的採用がこの特殊なタイミングを
生み出したともいえるでしょう。

 3密回避がマストとなる中ですが、
何も教えずに新入社員を
現場に放り込む訳にはいきません。

 この状況下で、彼らの為にも
「必要なことをできる限りやる」
という決断を強いられます。

 その結果、新人研修の
オンライン化が一気に進みました。
心得、ビジネスマナー、基礎知識など、
これまでリアル・対面でしか
やったことがないメニューでも、
インプットをあきらめるくらいなら、
オンラインでもなんとかやろう…
という状況でした。
これが激変を生んだ背景です。

 これまではオンライン化に
懐疑的だった世情ですが、
どこもかしこも手探りの中、
一斉に取り組みました。

 その結果は?…というと、
一定程度の感触をつかんだ…
というのが実態でしょう。
緊急対応となったため、
反省点も多くあるものの、
事前準備ができれば
解決するものも多々あります

 それよりも「意外といけるな」、
「これもありだな」といった
プラスの感触の方が
大きかったのが実感でしょう。

 このプラスの感触が、
今後の大きな転換を後押します。

 経営サイドの社会的な責任(感染防止)への
意識も鑑みれば、育成担当としては当然、
「集まってできない間は
このやり方で工夫してやっていこう」
と考えます。

 またメリットも考えると、
「人が集まることがOKになっても
オンラインでも良いのでは?」とも感じます

 そんな中、時代はこれから、
「いったいどうするのが正解なのか…」
を考え、スタイルの分岐点へ向かっていきます。

3:今まさに検証するとき
  ~この先どう進むべきかを考える

  ※ここからは私の持論として
  「である調」で進めます。

 今、このタイミングで必要なのは、
オンライン化に対する感覚論ではなく、
具体的なプラス要素、マイナス要素を整理し、
本来の目的を改めて考え
どうすれば最も効果が上がるのか
論理的に検証し、

今後の方向性を導いていくことだ。
様々な要素が見え隠れし、
もやもやとしている状況を
なんとかしなければならない。

 今、世の中では、
「ZOOMを使って●●する」
という情報(広告)が

あふれ出てきている。

環境設定の準備、ツールの使い方、
講師側ではインストラクションの技術論が多い。

例をあげれば、
「アイスブレイクでツールを使ってみよう」とか、
「拍手・いいねボタンを活用しよう」とか、
「チャットで意見を書き込もう」といった感じである
受講者に対する配慮という意味で、
運用上は非常に重要であり見逃せないポイントだ。

 一方で「オンラインを使えばこんなことができる」
というプロモーションになっているものが多い…
というのが私の実感だ。
もちろん肝心なポイントをWEB上で
垂れ流したりしない…といえばそれまでだが、
点のアイディア論はともかく、
根本的な部分で「なるほど…」と
いえるものにはなかなか出会えない。

 私の場合、人材育成を軸に
特に着目してみているのは、
オンラインにおける本質的な
メリットとデメリットである。
顧客企業の要望に応じて、
コンテンツを新たに
構築する機会が多いからだ

 オンラインという新たな方法論に対し、
世の中が一定の経験を得た今、
あるべき人材像に向けて
メンバーの育成を図るため、
どのような方法論をとるべきかを
考えていくことが
川上の議論である。
各回の研修そのものは
全体の流れの中にある

一つのコンテンツにすぎないだからだ。

 この点への議論の踏み込みは
世の中全体として
まだ浅いのが実態ではないだろうか

 ※2020年6月時点

4:オンライン研修のメリット、デメリット
~着眼点と教育プランの構造作り~

 では、リアル研修の良さに対し、
オンライン研修のメリット、デメリットを
論じようとした際に、
どこに着目すべきだろうか。
まずは、着目すべき項目を
大きく二つに分けて整理した。

(1)本来の目的=育成効果

学び、育成の質
 ~オフライン(リアル)同等以上の
●●●学びを引き出す事ができるのか?
 
  ①コンテンツ(テーマ)~向き・不向き
  ②手法~できる・できない
  ③スタイル別の効能
●●●●●
講義・討議・体験などの
●●●●●
スタイルによる効能の差
  ④副産物~オンラインだからこそできること
  ⑤オフライン(リアル)でないとできないこと

(2)コスト~費用対効果

得られる成果に対しかける経営資源
   ①経費(かかるお金)
●●●●●事務局等スタッフ人件費、
●●●●●受講者人権費、環境整備費
●●●●●移動交通費、宿泊費、会場費、
●●●●●外部委託費…他
  
 ②工数(かかる手間)
●●●●●事前準備、当日、事後の手間
●●●●●●※少なければ他のことができる

 はじめに、
こういった項目について、

個々にジャッジを行い、
オンラインとオフライン(リアル)の
それぞれの特性を判断し、
どちらが、どのように
いいのかを冷静に
見極めていくことが重要だ。

(3)教育プランに構造作りの着眼点

 この話を論じる目的は、
育成プランを改めて考えるためだ。
より効果的な検証とするためには、
企画する際のパーツと連動させると、
育成プランの立案と直結する。

当該論点でいけば、
オンラインとオフラインが大分類であるが、
中分類まで落とし込むことでより明確な議論となる。

 ■重要~教育プランの構造を作る為の着眼点

目的説明 事前準備 集合教育 事後訓練 フォロー
アップ
オフライン
オンライン

 例えば、事前準備であれば、
テキストでの通信教育、
動画講義によるWEB型の通信教育、
といったように、
各象限の中に具体的な手法を入れ込み、
テーマに対して費用対効果を踏まえて
最も高い効果が期待できるプログラムを
構築していくと、構造を作りこみやすい。

5:集合教育でのオンラインの効果

 これまでのリアル集合教育から、
O2O(オンラインtoオフライン)型への
シフトを論じるにあたって、
まずは、新たな取り組みとなる
オンラインの集合教育の特性について、
「向き・不向き」「手法としての相性」
「スタイル」といったポイントを
中心に明らかにしていく。

(1)向いているテーマや手法

 オンライン研修に適したテーマの条件は、
大きく言えば机上で議論ができるものことだ。

 画面越しでのコミュニケーションで
意思疎通ができるものともいえる。
いくつか例示していく。

  ①フレームワーク等の知識を活用したケース演習
    例 マーケティングミックスで戦略立案

      3C分析で自社事業の競争優位性分析
      7Sモデルで組織活性度分析
      SL理論で部下育成プラン立案 他
  ②机上で思考を掘り下げる探求系のテーマ
    例 問題解決
●●●●●●●
原因分析・課題形成・解決策立案
      自己実現
●●●●●●●
自分史・価値観分析・キャリアプラン
  ③ケース演習を使った思考トレーニング
●   例 経営革新事例で戦略立案

      生産性向上事例でロジカルシンキング
      ヒット商品事例でイノベーション

 ひとつは知識を活用しながら
侃々諤々の議論を尽くす類のテーマ。
論点を絞りこみながら、
少人数で知識や理論を活用し、
学びを「掌」にじっくりと
乗せていくことがポイントとなる。

 リアルよりも時間をかけて
討議の熟成を図ることがその質を高めていく。

 もうひとつは思考深堀系のテーマ。
最低このくらいまで…というサンプルを示し、
背中を押すことでより深さが増す。

 思考している最中に他者からの影響を受けないと、
自身の中である程度言葉になっている
レベルまでの浅いアウトプットに留まりがちだ。

 一方、自己思考、少人数討議と
ステップを踏んでいくことで、
「なるほどそこまで考えるのか…」と実感し、
ドリルダウンしていくことができる。

 こういったもっと深くもっと深く
というアプローチは、
オンラインでの少人数討議では
周りから見えない閉鎖環境となる為、
内緒話的に自己開示がしやすく
オンラインにむいている。
※他言しない場のルールを作るなどの工夫も必要

(2)不向きなテーマや手法

 向いていないテーマ、コンテンツだが、
画面越しでは実施できないものは非常に厳しい。
大きく2つに分類すると以下のタイプだ。

  ①対人の直接的な接触力をトレーニング
    例 コミュニケーション系
●●●●●●●傾聴、説得、発問、交渉…など
  ②体験型演習
   例 チームワーク系
●●●●●●●ペーパータワー
●●●●●●●マシュマロチャレンジ
●●●●●●●カード系…
●●●●●実務訓練系
●●●●●●●挨拶、名刺交換、
●●●●●●●説得、交渉、ディベート…
●●●●●現地視察をともなう実体験系
●●●●●●●●●見学、●●体験…

 画面越しでは伝わらないもの、
或いはこれまでリアルのツールを
活用して実施してきた
体験型演習の実施は当然厳しい。

 無理やりやろうと、
下手にデータで配信すると、
オンラインでは画面共有も含め、
キャプチャーあたりまえの世界であるため、
使用した内容は後進に情報として伝わり、
予定調和が発生しやすくなる。

 どんなにキャプチャー禁止と呼びかけても
コントロールは難しい。

 下手な呼びかけは、むしろキャプチャー行為を
助長することにもなる。

 正しい答えがないビジネスの世界の
能力を向上させようとしているのに、
想定解答が事前に伝わってしまっては、
教育効果は大幅に低下する。

 どうしてもオンラインでやりたかったら
演習はオンライン用のものを
新たに構築していかなければならない。

 弊社でもオリジナルの
演習の開発に手を付け始めている。

 また、体験型の演習の実施も難しい。
これまで私も様々な工夫をしてきたが、
「実際にやる」性格が強いものほど、
同じ効果を出すのは難しい。

 例えば店舗運営管理のジャンルでは、
「店舗診断スキルを習得する為に、
グループごとに区画を決めて
実際に店舗分析を行う」ことがあるが、
こういったタイプのものは
さすがにリアルでないと厳しい。
オンラインではケース演習に留まってしまう

 今後はケース演習の内容を
より緻密に設定して疑似体験のレベルを高め、
事後課題などの形で実務に落として経験を積むなど、
複合的なプログラム構成が求められていく。

③講師によるワンウェイ型の知識インプット

 もうひとつあがるのは、「講義」だ。
集中力が続きにくく、下手をすると
受講者の内職が始まる。

 「読む」に対し、「人の話を見聞きする」ことは、
ラーニングピラミッドの
観点から考えても効果ではあるが、
オンラインで…となると少々勝手が違ってくる。

双方向性がないのならば、
「録画した動画」でも変わらないからだ。

 むしろ動画の方が、聞き逃した場合は巻き戻せる、
知っている箇所は飛ばせる、
時間と場所の制約がないなど
優位性がはっきりとしている。

 「見聞きする効果」という点では
収録した方が効率的だといえる。

 講師側の立場としては、
「聞き手の反応が見えない」
「一言一句に精度を求められる」
「役者・演者として別の能力を求められる」など、
つらい面もある。

 実際に打ち合わせ等のなかで
嫌がる人もいるかもしれないが、
育成プランを総合的に捉え、
目指す成果の為に、
リセットしてプログラムを構築すべきだ。

(3)オンライン研修の副産物

 集合研修以外の場面での
インタラクティブ(双方向)型
コミュニケーションを実施する
ハードルが下がったことは大きな副産物だ。

 これまでは研修時間内での質疑、
休憩時間中、或いは終了後
といった短い時間を使っての
対応に限定されていたが、
オンラインの導入が
進み定着するほど、
集合以外の場での
キャッチボールが可能になる。

 私が事務局(企画側)なら、
移動時間やスタッフ人件費、
会場費や交通費など
経費的に圧縮できた部分を活用して、
アフターケアを充実させることを選択する。

 学びを実務に落とし込み、
その取り組みについて
受講者と講師(教育する側)で
個別討議をオンラインで組み込むのだ。

 時間調整をしっかりやれば、
受講者は移動負担もなく、
フォローアップをうけることができる。
個々のレベルに合わせて具体的な指導も可能だ。

 この取り組みが行動変容を後押しし、
事後課題への行動の質について
問われる場があることで、
本気度が増し効果は劇的に高まる。

 今こそ、O2O(オンラインtoオフライン)型で、
費用対効果を踏まえた育成プランの
全体像を再構築する大チャンスなのだ。

(4)オフラインでないとできないこと

 実体験に近いものを企画するほど
難度が高まるのは前述の通りであるが、
他にも見逃してはいけない大きな要素がある。

「深い人間関係の構築」

 相性の良い友達作り、
異なるジャンルの情報源といった
ネットワーク構築ならオンラインでも
問題はないかもしれない。

 一方でリスクをともなう重要なことを
一緒にやるメンバーを探すとしたらどうだろうか…。
自身に置き換えて想像したら、
オンラインでのネットワークより、
リアルでよく知る人から考えるのではないだろうか。
誰かに人を紹介する時でも同様だろう。

 決定的な違いを突き詰めれば
「信頼感」にたどりつく。

 人と人との信頼関係は、
一歩一歩の積み重ねによって
深まっていくものだからだ。

 誰かに人を紹介するとしたら、
誰しも「慎重になる」だろう。

 そんな場面で安心して名前をだせるのは、
オフライン(リアル)での
豊かな関係性が欠かせない。

 仕事の能力向上だけでなく、
人間関係を深める為にも
一定程度、直接的な人間関係を
ミックスしていく設計が重要だ。

6:OtoO型人材育成プランの設計

 再掲になるが、もう一度下図をみてもらいたい。
スタート地点はまずここだ。

 費用対効果(総予算の制約)を踏まえ、
まずこの設計が最も重要である。

 それぞれの項目に
一般論でいえばどのようなものが入り、
企画しようとしているテーマに
落としこんだ場合どのような
アレンジが適切かを検討し
完成度を上げていくのが効率的だ。

 ■再掲:重要~教育プランの構造を作る為の着眼点

目的説明 事前準備 集合教育 事後訓練 フォロー
アップ
オフライン
オンライン

各項目にあがる例

・目的説明
  ①オンライン:短時間ガイダンス
   目的説明などを対面で実施
  ②オフライン:事前説明会
   集合形式となる負担が大きい
   文書通達だと内容が伝わりにくい

・事前準備
  ③オンライン:動画による事前インプット

   利便性高く、効能も期待
   作成の工数負担大きい
 
 ④オフライン:テキスト読み込み等の通信教育
   従来型のものが使えるため
   実施にあたり手間がかからない
   集合教育資料の事前配布も◎

・集合教育
  ⑤オンライン:ケース演習などの

   グループ討議を中心に組み立て
  ⑥オフライン:講義型インプット

   ケース演習などのグループ討議
   体を使った疑似体験型
    チームビルディングなど
    リアルの人間関係系に強み
   実務体験型
    実際にやってみる経験を
    積むことができる

・事後訓練
  ⑦オンライン:SNS等でグループを

   組んで団体での取組ができる
   複数人数でも
   場所や時間の壁を突破しやすい
 
 ⑧オフライン:実務で実際に取り組む
   行動変容を促す
   最も重要な取り組み
   個人差が大きいのが悩み

・フォローアップ
  ⑨オンライン:メール(従来からある質問受付)

   チャット
    メールだと一問一答形式に
    なりやすいが、
    チャットだと会話へ。
    受付時間など事前設計の
    工夫で、より充実する
   ビデオ面談
    顔を見て個人面談が可能
    受講者の取り組みにも力が入る
 
 ⑩オフライン:アンケート
    従来からあるQ&A
    次に活かすパターンになりやすい
   
事後課題の添削
    工数が重いわりに、
    行動を後押しする効能が低い

 こういった一般ベースから、
今回のテーマの場合どうするか…
を検討し全体設計を構築していく。

 階層別なのか、ビジネススキル系なのか
によっても変わってくるため、
いかに効能ベースでアジャストするかが重要だ。

 その上で、集合研修について
オンライン化が適切だとなれば、
その内容を企画していくのが、
正しいSTEPだ。

 直近での緊急対応は、
「やれることを全力で!」が
正しい選択だったが、
今後は徐々に計算して(狙って)プランを組む
「OtoO型(オンラインtoオフライン)」に
シフトしていく。

 オンライン研修で何をやるかは、
前後の取組次第で大きくかわる。
そのため、まずは全体設計をし、
効能を後押しする為に、
学習効果の高いアクションに
絞ってプログラムを組んでいく。

 私が考える雛形は、
①事前課題による知識インプットと自己考察
②オンラインによる知識活用方法討議とケース演習
③グループ事後課題による実務への落とし込み
④オフライン集合研修によるプレゼン等での磨き合い
⑤個人事後課題による実務への落とし込み
⑥受講者自身による上長報告
⑦オンラインによる個別面談」
という流れである。

 

 勿論テーマに落としこんだ際の
アレンジは必須であるが、
ここまでの話を総合した設計の流れである。

 そして最も重要になるのが、
企画側が実務に精通していることだ、
ここまで踏み込むと、
「アカデミックな一般論を学ぶ」
レベルではなくなってくる。

 OJTで行う内容を理論で落とし込み、
教育メニュー化を図る必要がある。

 最も象徴的なのがケース演習の作成と、
事後課題へのフォローである。
理論を現場に落としこむ際に
壁となる障害がどこにあり、
それを突破させるための仕組みを
入れ込まなければ上手くは進まない。

 事務局、受講対象者の現場の状況、
講師(社内でも社外でも)が連動し、
カリキュラム構築に迫っていく必要がある。
それぞれの持つ知見を出し合い、
ワンチームとして取り組むことが重要だ。

 この先、おこるのは
「コストが下がる」ことを理由に
オンライン化を図るケースと、
効能を上げる為にオンラインを
積極化活用しよう…
という考えかたの2極分化だ。

※コロナがうまく落ち着けば
 3つ目の選択肢
「徹底してリアル」も想定される

 将来、勝ち残ることができる
組織がどちらなのか、
議論の余地はないだろう。
人の育成には時間がかる。
どこよりも早くジャッジし、
行動を起こす組織が勝ち残る。

7:まとめ

 振り返れば必ず「あの時が転換期」だった
といわれるようになるまさに今、
いち早く目的に合わせ、
様々なジャンルにおいて
最適化していくことが重要です。

 弊社では、育成プログラムの構築から、
実際の研修、1ON1でのフォローアップまで
伴走支援を行っております。

 今後の人材育成において、
検討をしていきたいとお考えでしたら、
是非ご一報ください。

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專田 政樹
株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役
経済産業大臣登録 中小企業診断士
(学) 産業能率大学総合研究所 兼任講師/パートナーコンサルタント
(一社)JDIO(日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構)
認定 ダイバーシティ・コンサルタント
著書:働き方改革時代の若手部下育成術
https://onl.tw/mVukyqU

〒 :104-0045
住所:東京都中央区築地2-15-15セントラル東銀座619号
HP:http://test.kyodaisha.com/

E-mail:masaki-s@test.kyodaisha.com

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