小売業の利益改善~STEP6② 権限移譲で多店舗展開を成功させる~トップダウンとボトムアップ Vol.2ーせんだ兄弟社

権限委譲で多店舗展開を操る【トップダウンとボトムアップ-2】②

トップダウンは「物事が明確にきまっているか?」どうか!
ボトムアップは「決定権が適切な人に委譲されているか?」どうか!
が機能するか否かを分ける!

小売業の利益改善コンサルタント、
中小企業診断士の専田政樹がおくる、
店舗の利益改善 虎の巻、【89巻】

前回からSTEP6に入っています。
ここでは組織として
ここまでのSTEPで積み上げてきた事を
いかにして実行していくかを
ポイントにしていきます。
ボトムアップを成立させるには
権限委譲をセットだという話を
しましたので、
今回はトップダウンについてです。

「トップダウン」と、
「丸投げ」は何が違うのか?

さてトップダウン…
今さらいうまでもなく
上からの指示を徹底する
というイメージではないでしょうか?

さてこちらは引用です。
【トップダウン】とは
「企業経営などで、組織の上層部が意思決定をし、その実行を下部組織に指示する管理方式。」
https://kotobank.jp/word/%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3-584109

ポイントは「決定した意思」を指示する事です。

一方でこんなシーンはありませんか?
トップから「◯◯」という指示がでたから
具体的にどうするかを考えろ!

了解しました常務。直ぐに考えます!

常務からこんな指示がでた。
具体的どうするか考えろ!

部長からこんな指示がでた。
具体的にどうするか考えろ!

店長からこんな指示がでた。
売場ごとにどうするか考えろ!

そんな事いわれても…
言うのは簡単なんだよな。
じゃあいつもの様に、
形だけ作って写真とって報告するか‥
撮り終わったらまたもとに戻すの
面倒くさいんだけどなぁ…

どんな会社でも
ありそうな感じですけどね…(笑)
正直これではトップダウンではなく、
ただの丸投げですよね。
誰も何も決めないまま、
現場に全てが委ねられています。

結果的にPDCAのP(PLAN)が
前提にない(決まっていない)ため、
ただひたすらD(DO)→D→D…
と続いていくことになるのです。
その結果、C(CHECK)も無ければ
Å(ACTION:修正行為)も無いのです。

概念的な事や、成果だけを求めた
トップダウンでは組織は動きません。
「売上」ではなく「利益」を上げろ!
具体的に考えて行動を起こせ!
これでは皆の動きはバラバラに
なってしまいます。
お客様目線で考えて店を運用せよ!
これでも難しいでしょう。
迷った時にどの軸で動くかの
ベクトルをはっきりさせる事や、
部下が具体的な計画を詰めることが
できるようなトップダウン、
必要な物事が決定している事が必要なのです。

「それは部下が考える事」と投げるのではなく
「部下が考えられるように指示すること」が
重要だという事です。

例えば、よく5W1Hと良くいいますが
もう少し落とし込みがいりますよね。

いつ
いつからいつまで実行する
いつまでに決定
いつから考え始める

だれが
だれが決める
だれが議論する
だれが考える

だれと
だれと考える
だれと決める

どこで
どこで実行する
どこで準備をする
どこで考える

何を
なにを実行する
なにを準備する

どのように
どうやって実行する
どうやって準備する
どうやって決める
どうやって計画する
どうやって情報を集める

各項目について似たような
ことをいっています。
指示

情報収集

計画

議論

決定

準備

修正

実行

検証

修正

こんなサイクルが
つつがなく回る状態が
決定されている状態です。
「あれ?これは誰がやるの?えっ俺?」
てな具合になると、
とたんに皆の動きは逃げ腰になります。
自分の振られないように防御するからです。

こういったものが
部分的に決まっただけで、
全てが決定していないという状態です。
決める事が抜け漏れしているのです。

この項目は地域与件に合わせて
「店の◯◯(役職/担当)」がいつまでに決める…
と明確になっていれば、
それは「決まっている」
という事でいいでしょう。
もし決まらなければ
だけが決めていないのかが
明確になっています。

実際には小売業の場合は、
お客様の相対する現場の力が
非常に重要になるため、
行き過ぎたトップダウンや、
もっといえば柔軟性を失うような
マニュアル化はかえって
害を成すでしょう。

指示をしたあとに進行の過程で
誰が考えて、誰が決定するのかが
予め(その都度)決まっていればいいのです。
それが決まっていないと、
実際の意思決定がバラバラになり、
統率がとれません。
結果お客様に伝えたい事が
伝わらなくなるのです。

トップダウンもボトムアップの
どちらが良いか?

よく聴くフレーズですが、
言い換えれば
「物事が明確にきまっているか?」
「決定権が適切な人に委譲されているか?」

この2つの事を表しているのです。

あなたのお店ではどうでしょうか?  (^^ゞ

↓各ステップのリンクはこちら

STEP1 まずは賢いお金の使い方 – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP2 商品ロス削減による足場固め – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP3 人間の行動科学に基づく売場作り~VMD – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP4 3つの構成比で売場を操る – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP5 3C分析を使いこなして強みを強化 – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP6 権限移譲で多店舗展開を成功させる – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP7 お客様と長く付き合う – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)

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