小売業の利益改善~STEP3⑪ 人間の行動科学に基づく売場作り~A:人間の行動科学で考える Vol.9

みなさん こんにちは!
小売業の利益改善コンサルタント
中小企業診断士の専田政樹です。

店舗の利益改善 虎の巻【24巻】です。

STEP3【人間の行動科学基づいた売場作り】の
11回目となります。

さて前回からこの章の本題である
売場作りについての話へ戻っています。

さて今回の事例はこんなパターンです。

どうでしょうか?
お気づきかと思いますが、
後ろの通路幅が狭いため、
棚の一部分しか視界に
入らなくなっています。

さてこんなときどうしたら
上手く視界に入るようになるでしょうか?

いくつか方法はありますが、
ひとつは後ろの棚との距離を広げること、
つまり通路幅を広くすることです。
そうすれば、ひいて見る事ができるので、
全体が見えやすくなります。
細かく見たい時は近づいて
見る事もできます。

ですが、おそらくは、
後ろの棚の、さらに後ろにも
棚があり、通路を広げることが
難しいというケースが多くあるでしょう。

他には、やりかたはないか考えてみてください?

いかがでしょうか?

こんなやり方もあると思います。
後ろに広げられないなら、
横の間隔をひろげるやりかたです。

こうすることで、
「ひとつの単位」で見せたい範囲が変わる為、
1つの視界におさめる事ができます。
棚を「セパレ‐ト」してみせたという事です。

しかし、棚が密集してしまっている店舗では
このやりかたも難しいかもしれません。
縦にも横にも棚の位置を変えられないケースです。

そんな時は棚の中の
商品の並べ方を工夫します。

棚の中央部分に空白(空間)を作る事で、
お客様の目線がそのまま横に流れない等に、
区切りを付けます。
この空間をネガティブスペースと呼びます。
意図的になにも置かない場所をつくり、
ひとつのかたまりに見せないようにするのです。

狙いは2つのかたまりに分けて見せる事なので、
空間をつくる以外の手法でも問題ありません。

いかがでしょうか?

こんな感じで、
自店の売場を確認してみて下さい。
お客様に商品がよく見えるように
なっていますか?

ただし注意点があります。
この手の話で上手く成果がでるケースと、
成果がでないケースがあります。

気をつけなければいけないのは、
お客様とっての
【プラス】を増やす事と、
【マイナス】をつくらない事です。

今回の話のプラス面は
商品がよく見えるようになる事です。

マイナス面はどうでしょう?
通路を広げ、よく見えるようにする為に、
棚を1台抜いたとしら…
その際に扱い商品数が減るかもしれません。
その商品がお客様について
必要な商品だったとしたら、
品揃えが悪化した…という事です。
マイナスですよね。

うまく商品が入りきらなくなったから、
一部を違う場所に変更したとしたら…
馴染みのお客様にすると、
そこにあったものがなくなって
しまったかのように感じてしまいます。
レイアウト変更をした時に
一時売上が減少するのも
このせいです。
商品をみつけられなかったら
買わずに帰ってしまう
お客様も多いのです。

その為、細かなアクションを起こす時は
プラス面を多くする工夫と、
マイナス面を作らない(できるだけゼロ)
事が重要です。
これを間違えるとせっかくの取組も
効果を感じる事ができません。

という事で、
もし商品がよくみえない場所があったら、
改善してみて下さい。
素通りされてしまう売場は、
いくら商品を並べても売れません。

【見やすく、わかりやすく、買いやすい】売場作りで
お客様にしっかりと、
商品をアピールしましょう。 (^^ゞ

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STEP1 まずは賢いお金の使い方 – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP2 商品ロス削減による足場固め – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP3 人間の行動科学に基づく売場作り~VMD – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP4 3つの構成比で売場を操る – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP5 3C分析を使いこなして強みを強化 – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP6 権限移譲で多店舗展開を成功させる – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
STEP7 お客様と長く付き合う – 株式会社せんだ兄弟社 (kyodaisha.com)
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