今回の売上の話は、私自身の体験事例話を致します。
小売業一筋20年のキャリアの中で
様々な経験をしてきたわけですが、
その中で【過去のデータ】を上手く活かし
ノウハウ化ができた!という事例のひとつです。

ここまで形式化済みの話を多くしてきました。
再現性を考えると抽象化して様々なケースに
当てはまる様にする必要があるからです。

一方で、実際に体験をしていなければ
共感する事ができなのではないか?
と改めて思う事がありました。
あるコンテストで賞を頂いたときの動画を
あとから自分でみてみると、
自分が描いていたイメージと
かなり開きがありました。
話し方、伝え方、
うーん…駄目だな、こりゃと… f^^
もっと上手くはなしたつもりだったのですが…

では何故評価されたか…
おそらく共感を得た部分が加点要素に
なったのだろうと… あくまで仮説ですが…

このブログでお伝えしている
様々な内容についても
実践していただければ、
お役立て頂けるものを綴っているのですが、
共感してもらえなければ、
実行につながらないかなと考え、
具体的な事例も織り交ぜていこうと思います。

前置き長くなりましたが、
小売業の利益改善コンサルタント、
中小企業診断士の専田政樹です。
店舗の利益改善 虎の巻、【33巻】です。

というわけで今回は私の実体験をもとに
成功事例をしてみたいと思います。

あれは小売業に就いてから
3年目の秋の事でした。

まだ入社した最初のお店での3回目の秋のお話です。
そのお店は北海道の札幌市にある店舗でした。

新入社員から徐々にスキルを積み上げ
だいぶ固まってきた頃です。

2年目にも色々考えて取組みましたが、
なかなか大きな成果には
繋がっていませんでした。

そこで3年目を迎え
お客様の心理について
色々と調べていったわけです。

着目したアイテムは
長袖Tシャツとトレーナーです。

いまでこそ体系化したせいで
理解していますが、
当時の私は同じアイテムでも
春と秋でお客様の買い方が違う事に
気がついていませんでした。

さて何が違うかというと、
札幌の場合、
初雪から積雪、そして厳寒期と
寒い時期が非常に長いのです。
当時、雪が降ると喜び勇んで、
スキーやスノーボードにでかけました。

しかし私(たち)首都圏からの転勤組も
さすがに中だるみする長さです。
雪が積もってシーズンスタート…
という時にガンガン通い、
本格的なパウタースノー期には
既に飽きて足が遠のき、
雪解けが見えてくる2月後半くらいから
もう終わりだからまた滑りにいく…
要は積雪期間が非常に長い訳です。

そんな背景から、
春と、秋とで同じアイテムを売るにしても
全く反応が違うのです。

だんだん暖かくなる春は、
少々気温が上がりきらなくても、
気持ちがたかぶり、
どんどんと薄着になっていきます。

同期の女子陣はまだ雪が
とけきっていない時期でも
半袖で出歩いています。
さすがに「寒くないの?」と
尋ねましたが、
そんなことよりオシャレがしたい、
少々寒くても大丈夫…との返答。

いやまだ雪が残っているくらいだし、
「少々」どころじゃないし…

でも精神的に暖かくなる事に対して
テンションが高い訳です。

ですから、カットソーでいえば、
厚手のトレーナーから、
春物のトレーナーにかわり、
さらに長袖Tシャツへ
そして半袖Tシャツへ
と移り変わりますが、
実際に温度変化が来る前でも
ある程度消費が発生する訳です。

その結果、春場の
重点アイテムであるものの、
引き際が非常に難しい長袖Tシャツが
しっかり売れる訳です。

これが首都圏だとトレーナーから、
一気に半袖に移ってしまう事がある為、
攻め切れないアイテムです。

※早い時期に気温が上がってしまうと
マーケットそのものがなくなってしまう為

2年目の私は例にもれず、
春の長袖Tシャツを切らしてしまいます。
そして秋はこんどこそは切らすまいと、
しっかり長袖を持ちました。

もうおわかりでしょう。
秋は逆なのです。
首都圏では残暑も厳しく、
なかなか冬物に移行しませんが、
札幌の場合は9月後半、
いまでいうシルバーウィークの週になると
20度前後まで下がってきます。
そして10月後半には初雪が迫ってきます。
冬は長く秋は一瞬なのです。
つまり秋の長袖Tシャツは
ほどほどで切り上ないといけないわけです。
ここが理解できていなかった為、
またしても苦労をするわけです。

そこで何故かをしらべ込んだ訳です。
気温天候の過去データと、
長袖Tシャツの売れ行きを比較します。
当時はまだ紙での保存でしたから
書庫にいって気温が何度になったら
売れたのか、また関係ないのか…
そんな事を調べ込みます。
その結果が先に記した、
同期の言葉と合致した訳です。

ある意味定量データ(形式化された気温データ)と
定性データ(ヒアリング結果)が一致したのです。

①長袖Tシャツのシーズンの売れ具合
→週単位での売上動向の推移の過去データ

②気温の推移のデータ
→折れ線グラフ化し、気温の変化した
タイミングと①を比較

③地域住民へのヒアリング
→分析した内容と比較し、
実感との比較を行い検証

とったステップを踏みました。
正直大変でしたが、
ここまでやったので体系化できた訳です。
その結果3年目にはその変化を先読みして、
気温が◯度になるまでは、
Aアイテムを主力にいくら稼ぐ、
気温が△度に下がったら、
Bアイテムへ切替る…
といった計画をたてる事が
できるようになったわけです。
今となってはイロハの「イ」、
でありますが当時は大発見でした(笑)

今回のメインは過去データを上手くいかして
成果につなげた事例であるわけですが、
ついでにもう1ついうと、
何故新入社員から3年かけて、
こうなったのかという事です。

普通こういうのって先輩とか
上司が教えてくれるはずでは?
とおもいませんか?
企業として利益を上げたいのではないのか?

私は2つ理由があると思います。
1つは業界特性として、
こういったノウハウ的なものは、
経験として各人にやどり、
暗黙知のまま形式化されにくいからです。
仕事の時間中は皆持ち場があり、
教育する時間は特別設けにくいのです。
新人にじっくりかまっている余裕はない。
ですから、よくお昼ごはんの時や、
仕事後に飲みにいった席で、
先輩の武勇伝的を聞いたものです。
みんな成功事例は喜んで
話をしてくれますが
特に体系化されているわけではなく、
組織戦術となっている訳でもありません。

2つ目は、個人個人が競争関係にあり、
ライバルであった事が上げられます。
私がこの会社で新入社員だった頃は、
まだそこまで業態そのものの業績が落ちていなく、
D社さんやN社さん、M社さんや、S社さん、
といった同じ業態の同業社も元気でした。
人員構成も社員比率が高く、
平均年齢も今より10才以上若く、
活気のある状態でした。
その為、同僚とのライバル関係も激しく、
常に競争環境関係にある為、
ノウハウが潜りやすかったのです。
敵に塩は送らない…という感じです。

この辺は人の性格にもよりますし、
店によっても大きく開きがあるかとは
思いますが私自身はこんな風に感じていました。

経営陣は個人の損得を排して
店全体でお客様の消費を理解した
ノウハウを体系化し、
仕組み作りをして、
効果的な店運営をしていかないと
いけないという事です。

個人戦の集合体よりも
強い個人の力を組織で活かして
団体戦をした方がチームは
勝利に近づきますよね。

という事で
札幌カットソー事例でした。  (^^ゞ

人にまつわる問題や悩みを抱えていませんか?

著者プロフィール

専田 政樹(弟)
専田 政樹(弟)中小企業診断士
7&iグループ出身。
大企業10年、中小企業10年のマネジメント経験を活かし、制度構築、業務改善、人材育成等で企業支援にあたる。
企業在籍中に管理部門責任者として営業利益▲3%から1年で+0.5に改善した実績をもつ。
多様な人材の能力を引き出し相乗効果を出すダイバーシティマネジメントを専門分野とし、既存人材活性化を得意とする。