日経オムニチャネル戦略推進課題解決セミナーに参加してきました→まとめ

さて久しく投稿しておりませんでしたが、良いセミナーだったので情報共有です。

幾人からの方々から非常に有益なお話があったのですが、

今回は冒頭の「経営戦略としてのオムニチャネル・リテイリング」というタイトルのお話についてざっくりまとめました。

 

■1:現状のオムニチャネルについての誤解(しているケースが多い)

言語として「オムニチャネル」という言葉が使用され始めて約3年経過し、日本でも昨年後半から急速に浸透してきたが、O2O(ONLINE TO OFFLINE)やEC事業の活性化と混同されているケースが多発しており、そのことが戦略としてのオムニチャネル推進のボトルネックとなってしまう事が多い。結果として、店舗売上のマイナスとEC売上のプラスをカニバリゼーションと誤解するなど、誤った解釈に陥ってしまい、次の投資判断の決断ができなくなってしまってる。

 

■2:オムニチャネル・リテイリングとは?(→正しい解釈の為には初期に立ち上る必要がある)

消費者はあらゆる情報源(複数のルート)から情報を取得しており、消費行動はAIDMAにとどまらずありとあらゆる行動が、全て価値判断に関係してくる(マルチタッチポイント)。日本のガラケーの発展に伴い、モバイル端末による即時決済が可能になった事に脅威を感じたアメリカ小売業界で、NRFが中心となり多数の企業が集まり対策を講じた(Mobile Retailing Blueprint:ざっくり言うと、モバイル端末を使った小売の成熟モデルを予測しその発展につなげようとするもので、クロスチャネル時代では実現できなかった部分まで、全てのチャネルを一元化していく事が書かれている。在庫管理、受発注管理、顧客管理、販促、物流など全てのデータを統合する)。結果として顧客からみた小売の概念は、より「店舗」→「ブランド」へと変化し、これにより企業側の対応は店作りからブランド作りにパラダイムシフトが起こる。この事へ対応する為の経営戦略が「オムニチャネル」である。(極端に言えば、これまでの小売のKSFは店舗の立地であったが、今後はLTM(顧客生涯価値)を軸としたリアルタイム・パーソナライゼーションにとって変わるという事である。)

 

■3:日本企業におけるオムニチャネル化への課題

①システムの構造:IT化の進捗にあわせその都度システムを構築してきた為、業務チャネル毎に独立したDBが構築されているケースが多く、オムニチャネルを実現させるには「マスターの統合」を果たさなくてはならない。

②組織構造:縦割りのチャネル別組織となっている事が多く、横断型の全体最適で考える事が難しい。CMO(チーフマーケティングオフィサー)を置き、統合的な戦略を構築する事が重要であるが、古くからある主要なチャネルからの抵抗が大きいのが実情。逆にWEBの世界では比較的中心となるメンバーの年齢が若いせいもあり、自然と統合されているケースがある。

→リアル店舗も含め、事業全体の経済効果(店舗の売上がWEBに食われると自分の業績がおちる・・・といった話を踏み越える)から考え「組織設計」と「IT基盤の構造作り」を進め直さなければならない。経営者は誰にやらせるか?という壁にぶつかるが、該当する既存の部署はなく、新たに創造しなければならないのが実情である。

 

という事で「オムニチャネル」=「①サービス業である小売業の経営戦略そのもの」、「②全社をあげて構築する仕組みつくり」、との内容でした。リアルタイムでの店舗、及びECの在庫情報の統合や商品在庫の持ち方など、技術的な事の進歩と合せて、スタート地点として、そもそも何を目指していくべくなのか?という点に置いて共通認識を持つことの重要性を感じます。

お客様に経験価値を提供し続ける事で、「個のお客様に自分のブランド」として認知して頂き、「顧客生涯価値の向上を図る事」を成す為に、何をしなければならないか… どの手順で実行していくか…   お客様目線で全体最適を最重要視して進め、具現化させていきたいものです。

 

という事でまた続編を書き連ねていきたいと思います(^^ゞ