中小企業診断士 登録養成課程 VOL.32.5

養成課程32.5回目は製造業情報化支援の続編です。

前回適正価格のソフトが選定しきれず、
負け戦を展開してしまいましたが、
その後の調べでこれならいけるかなという所まできましたので、
提案の概要と合わせてアップします。
ちょっと長いので読み飛ばして下さいませ。m(__)m

事例企業概要は、売上2億5000万円、利益は前年赤字、
今年度黒字転換(利益水準は毎年同程度)の金属加工を中心とした製造業で従業員は15名(社長込)。
会計業務のみコンピューター化されているがそれ以外は完全にペーパーで受注もFAXで行なっている。

この企業に対し「RFP(request for proposal)を作成せよ」がお題。

1.システム導入の背景と現状
①管理の仕組みの確立
現在会計ソフトしか入っておらず、生産管理を含め導入を検討中
②ISO9001の運用
取得したはいいが、上手く運用できておらず、
業務効率が上昇していない。
③業務の効率化と生産性の向上
紙管理含め社内の情報共有手法に有効な手立てがない。
従業員は繁忙期も閑散期も同様に忙しそう(社長談)
粗利率は50%弱とれているが、最終利益はとれいていない。

2.システム導入の目的
①業務効率化の推進と生産性の向上
②業務全体の管理の仕組み作りの推進

3.各種課題
①売上利益面
②組織人事面
③生産管理面
④営業面     それぞれ長いので省略

4.対策と効果
対策
①製造部員の技術力(多能工化の推進度)をdatabase化
②加工に使用している機械設備とその量、また操作に必要な技術の種類をdb化
③上記を掛けあわせて生産座席表を作成し管理

効果
①営業部員が商談先で製造状況(生産余力)を把握できる為、
その場で納期が決定でき、受注作業、生産計画立案の負荷が軽減
②製造部員の作業計画が明確化
生産効率が上昇し、空き時間等も見える化する為、
その時間を使って教育計画をたて、多能工化を推進
⇓まとめると
見える化する項目
・原価管理
・進捗管理
・余力管理
・納期管理
・目標管理
狙う成果
・利益計画の精度アップ
・生産計画の精度アップ
・確実な納品による信頼性のアップ
(社長インタビューではここが一番の強み)
・生産の平準化
・部門間の情報共有
・顧客情報(図面等)の一元管理
・空き時間を有効利用した多能工化教育の推進

5.予算
①概要
金属加工業を含む製造業の計画管理業務用の
ERPパッケージソフトを利用し低コスト、短期間での導入を提案。

②コスト
ソフトのみ150万円のスタンダードタイプを推奨。
※開発社から価格のひとり歩きは避けるて欲しいとの事でしたので
ソフト名はふせさせて頂きます。
ハード面はサーバ+PCで250万円~350万円を想定
トータル500万円

③導入コストの償却
500万円の導入コストを5年償却でえ1年100万
月あたり8.3万円の費用負担
粗利率50%弱設定での必要売上は約20万円
システム導入による生産性等のアップで、
現在微減の年間売上を前年比プラス1%に持ち込めればペイ可能。

といった感じでまとめてみました。
当初のコスト感に比べこれなら現実的に検討可能かと。
数字をいれる時は、きっちり調べを入れてから…という教訓です。

それと我々の領域はソフト選定ではなく、
ソフト導入時に効果をあげる為の体制作りや、
業務構造を改善し、仕組み作りをしていく事なので
具体的なのはともかく、誤解は受けないようにしないとですね。

という事で長々書きましたが、
32回投稿のリベンジ編でした。

明日からIE(Industorial Engineering)です。
しんどい分野が続きます。(^^ゞ

cut off saw cutting metal with sparks
Photo by Anamul Rezwan on Pexels.com

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