足底筋膜炎が完治した!業務改善メソッドの活用事例

私に襲い掛かった問題「足底筋膜炎」

以前、私の右足踵部分を襲った
激痛を伴う「足底筋膜炎」
ぶつけた等の特別な自覚もないのに、
いつからか足の痛みを感じるようになり、
その症状が徐々に悪化していきました。

朝起きた際の激痛に始まり、
夕方になると足を引きずって
歩くような状況に陥り、
耐えかねて病院へ行った結果、
上記の名前の症状だと診断を受けました。

おおまかに言うと
足の腱の踵部が炎症を起こし
傷みが発生している状況との事。

運動は?対策は?治るのか?…と、
色々質問をしましたが、
いただいた返答は
結局のところ患部の炎症を止めるしか
解決させるしか方法はないとのことでした。

理屈は理解したものの、
その対処方法は塗薬。
踵の肌から浸透する成分が
炎症を抑えてくれるとの説明でしたが
塗り方が悪かったのか、
症状は改善されず、
痛みはまったくおさまりません。

色々調べていくうちに、
そもそもこの病気、
なかなか症状が良くならず
苦労している方が多い事がわかってきて、
これは自分にあった対処方法を
考えないと治らないのではないか…
と考えるようになりました。

そこで、弊社で
業務改善コンサルティングを

行う際に活用している
問題解決のアプローチを使って
対策を根本から考え直していきました。
「ステップを踏む」という意味では
問題意識をもつことで思考がスタートします。
潜在的な問題を分析して
形作っていく段階に入ったことから
取組はスタートします。

最終的には、解決方法として
ある安価なツールを活用した取組を行い、
現在は完治しているといえる状況です。

痛みを感じなくなってから
既に数年が経過していますが
再発の感覚はまったくありません。

以下に、病気の完治という
問題解決を成し遂げるまでの
アプローチを整理しました。

解決策という意味では
症状が発生している原因によって
合う、合わないがありますので、

このやり方では治らない
ケースもあるでしょう。

同じ原因でお悩み方は
お試しいただいても
良いかもしれません。
私の場合は完治しています。

※この話は、問題解決のアプローチを
整理した話である…とご理解ください。

では早速参りましょう。

STEP1:現状分析と問題点の明確化

(1)現状分析とあるべき姿の設定

まずは現在の状況を整理し
本来あるべき姿(理想の状況)を
明確化していきます。

その上で、
何を(What)、
どうするべきか(How)を
考えていきます。

■現状

右足踵近辺に痛みを感じ、歩行時に苦痛を伴う。
症状が厳しい時間帯(朝・夕方以降)では
普通に歩く事が困難な状況に陥り
日常生活にも仕事にも支障が発生している。

■本来あるべき姿

痛みがなく苦痛(ストレス)を感じない状態
日常生活、仕事に支障はない状態
スポーツを楽しめる状態
再発の恐れを感じない(完治したと思える安心感)

原因分析

 

 

ここまではシンプルに羅列した状態ですOKです。

 

(2)原因分析(Why)

現状と理想のギャップを
問題点として解釈していきます。

そのためには
何故このような状況が踵部に発生しているのか…

その原因を的確に見定めないと
正しい課題抽出(解決の方向性作り)ができません。

この点は、まさにビジネスと同じです。
まずは、文献(論文、新聞、雑誌、WEBなど)調査等による
2次情報(公開されているもの)の収集分析や、
1次情報(知人からの口コミ等)の収集分析をし
原因分析を行うための素材を収集していきます。

次の段階で、自身が培ってきた知識や経験と、
今回収集した情報とその分析結果を合わせて
表層的な原因を想定し、
さらに真因の仮説をたてていきます。

 

■現在の状況と表層的な原因の整理

医師からの説明は以下のようなもので
各種文献にでているものと近いものでした。

足の付け根から踵まで、
足の裏に膜のように張っている
腱組織である足底筋膜に
炎症が起きて痛みを発生している

この段階でわかる、表層的な原因です。
分析ステップとしては
まず炎症が発生している事を

痛みの原因として抽出します。

ここまでは治療開始時の塗薬が
処方された時点と変わりません。

→現在の状況は以下のように整理されます。
【 足底筋膜の踵部分の炎症が原因で激しい痛みが発生している 】

 

■真因の分析

あるべき姿の設定は、
単純に痛みがなくなることではなく、
再発防止を含めた完治です。
(精神的にも安心できる状況)
そのためには、
現在発生している炎症を
沈静化させる対処療法ではなく、
現在の状況を引き起こした原因を突き止め、
炎症が発生しないようにしなければなりません。
ここでゴール設定が曖昧だと、
この先の方向を誤ってしまうので
注意が必要です。

■当時の私の分析

※医療の専門家ではないので
 問題解決のアプローチ事例として
 とらえてください。

★日々の暮らしで痛む時間帯がある事から調査
①夕方の痛み
【調査から】
痛みの原因である炎症が発生する原因の1つが疲労
生活や仕事等の日常活動の中で疲れてくると痛みが発生
→たしかに夕方・夜が足を引きずっている時間帯のひとつです。

②朝起きた時の痛み
【調査から】
筋膜の硬化が原因であるタイプが存在する
長距離ランナーや立ち仕事など
勤続疲労的な要素から、

使い過ぎによって筋膜が固くなってしまう事が
炎症を引き起こすパターン
→もともと陸上部長距離であり、
店舗での立ち仕事をしてきた経験から
これも原因のひとつではないかと感じとりました。
朝起きた時については、
寝ている時に筋膜が固まる事で

痛みが発生しているという想定が
新たに加えられました。

■真因に対する仮説立案

分析結果を受け、
真因に対する仮説を立案します。
私の場合、痛みがはっきり出てくるのが
朝と、夕方以降の2パターンです。
そのため痛みが発生している真因は
疲労によるものと、硬化によるものの
複合型と想定しました。
つまりここからの施策は、
疲労と硬化(What)に対して
立てていくということです。

他にも可能性を調べれば
まだまだあったのかもしれません。
しかし分析段階に時間をかけすぎると
行動開始が遅れ、
結果として効能がでるのも遅くなります。

そのため、この段階で一度判断を行い
解決に向けた施策立案の段階に入ります。

STEP2:課題形成と具体策

(1)課題形成

課題(解決の方向性)は
以下のよう設定しました。

・炎症が発生している原因を解決し、
再発しないように完治させる

そのために
・硬化してしまった筋膜を柔らかくする
・疲労に強い筋膜をつくる

あるべき姿の設定に合わせ、
状況の改善とあわせ再発防止までを
課題として設定します。

つまり一時的な痛みの改善ではなく
根本的に解決を図る事を課題とし、
そのゴールに向け治療の方向性を
模索していく事にしました。

塗り薬により一時的に痛みが減少しても、
何故この病にかかってしまったのかを考え
解決を図らなければ再発必死である…
と捉えたのです。

中々効き目が表れない塗薬治療を
再発する度に繰り返す不安もあったたのも
この方向を選択した理由です。

取組が上手くいかないリスクもありましたが、
目指していく「あるべき姿」から
取組の方向性を判断していきました。

(2)解決策の立案(How)

課題形成を終え、解決の方向性が定まりました。
次は具体的な解決策の立案です。

課題形成までの段階では
極端に言えば「こうなりたい」という
願望ということもでき、
実際に目指している結果をたぐりよせる為には
適切な対処方法を実践する必要があります。

情報取集、分析、自身の知識・経験などを
総動員し、仮説をたて対策を選択し、
行動段階では徹底するのが成功のポイントです。

今回のケースでは私は以下のような
施策とアクションをおこしました。

■施策立案にむけた思考

疲労と筋肉が硬化してしまっている状況を
どうすれば解決する事ができるかを考えていきます。

①疲労を克服する為には?

そもそも疲れやすい状況を
疲れにくくする為のアプローチは
二つの方向がある事をかつての
陸上の経験から引き出します。

1つ目に考えたのは短期策です。
蓄積した疲労を休養によって抜く事です。
速効性を考えると有効かもしれませんが、
現実を考えると仕事を休むわけにもいかず、
中々難しいものでもありました。

また、再び疲れがたまれば再発も必死です。
あくまで痛みを和らげるための
目の前の対処となってしまいます。

2つ目に考えたのは中期策です。
体そのものを疲れにくい体質に変えていく事です。
陸上の長距離の経験から、疲労が蓄積した時に、
「体を使わず休める」という方法は
あまり効率の良い疲労回復方法では
ない事を知っていました。

完休する事でこれまでに
トレーニングによって向上させてきた

心肺機能や、筋肉などが
実施前の状態に衰えてしまい、

また鍛え直しになってしまうからです。

むしろゆっくりと体を動かしながら
疲労を抜いていく方が有効です。

筋膜を筋肉と同じように考えていいかどうかは
賭けではありましたが
鍛えて疲れにくい状況をつくる事で
解決する路線が有効なのでは?という仮説です。
※本来はこの段階で医師に
相談しながら進めるべきかもしれません。

・硬化してしまった筋膜を柔らかくするには?

こちらも同様にいくつか対応策を考えてみました。

1つ目は、硬くなってしまったのなら
柔らかくほぐせばよいのでは?という施策です。
シンプルに「揉んでみる」、
あるいは「ストレッチをする」と
いった対応を試してみました。
これらは簡単でリスクも低そうなので
計画や立案ではなく
まずやってみるというアプローチです。
※問題解決型ではなく業務改善型のアプローチです。

結果はあまり効能がありませんでした。
踵の筋膜を「揉みほぐす」というのが
そもそも物理的に難しいという問題にぶつかります。

要はどこを揉んだらいいのかわからない…
という悲しい状況へ。

次はストレッチですが、これがまた痛い。
トライはしてみたものの、
そもそも激痛が走っている患部へ

真逆に力を加えるアプローチは耐え難く、
またやっても下手すると
ますます痛みが増すという状況になりました。

筋肉はゴムに例えられる事がありますが、
硬化している状態というのは、
劣化して切れやすくなった
ゴムのような状況ですから、
そんなゴムを引っ張ってしまったら
ますますダメージが深まってしまう…
改めて考えると、
そんなことがおこってしまったのでは…と。
むしろ悪化させてしまった可能性も否めません。

取り組んでみた結果として
ストレッチはどうやら厳しい・・・・。

2番目に考えたのは、
疲労の改善とも合わせて、
鍛えたらよいのではないか
というアプローチです。

柔軟性を高めるトレーニングを
考えた時にどうしたら良いか?

これもかつて経験からですが、
筋肉が突っ張って体が動かないときは
単純に筋肉を増やすのが効果的であることを
体験していました。

例えば体の中で硬い部位を柔らかくする為に
ストレッチをしたらどのように感じるでしょうか?
筋肉が引っ張られ伸ばされます。
その時は短期的に伸びますが、
ゴムを伸ばして弛ませたような
状況になっている事を想像してみてください。

そもそも長さが足りないものを、
ビヨンビヨンと引っ張れば
徐々に負荷がかかってゴムは劣化していきます。

この筋肉が突っ張っている状態を改善する為には、
トレーニングを行い、筋肉量を増やし、
伸ばす為に必要な筋肉量を
しっかりとつける事が結果的に近道です。

柔軟性を高めるために
筋肉をトレー二ングするという経験がないと、
話としては若干の違和感があるかもしれません。

一方で筋肉と筋膜で同じ考えでよいのだろうか?
というリスクも抱えていたのが実際のところです。

■実行する施策の立案

上記の内容から、
疲労に強く、柔らかな筋膜を取り戻す為の

トレーニングをするという方向性を選択しました。

これで何とかなるのでは?
という仮説を信じて行動を開始します。

次はどのようにトレーニングを
行うかを具体的に考えます。

なかなか良い策がみつからない状況でしたが、
イメージに最も合ったものが、
以前別のトレーニングで

使用経験がある大山式ボディメイクパットです。

https://www.ohyamashiki.com/
※こちらの商品の宣伝が目的ではありません。

足底筋膜炎の場合、
安静にして直すというケースが多く、

ダメージを抜くタイプの治療が多い為、
ツールといえばヒールカップや

靴の中敷きを補強するもの
などが中心となります。

一方で、今回はダメージを抜くのではなく、
筋膜の強化が目的である為、

これらのツールは適切ではないと判断しました。

今回選択したツールは
そもそもは「姿勢がよくなる」等の
効能が主となる道具ですが、
以前使用した際、
足回りの筋力強化に効果が高く、
みるみるフットワークが
エネルギッシュになった
経験がありました。

つまり「筋肉のトレーニング」に
効いていたという事です。

当時は、残念ながら
私の使い方とメンテナンスが悪く、

足の皮膚が荒れてしまい
(おそらくシンプルに水虫です)、

使用を取りやめていたツールです。

今回は、足の指回りの肌のお手入れに
注意をしながらこちらの活用を再開しました。

STEP3:対策の実践

以前の反省もかねて水虫にならないよう
メンテナンスについて注意をしつつ、
実際に使用を開始しました。

最初は痛みがない時間帯から使い始め、
徐々に時間を伸ばしていきます。

なれてくるに従って以前効果を感じ取る事が
できていた箇所の筋肉が戻り始めます。

またツールにいくつか種類がある為、
途中から効能の高い強化版に切り替えました。

さてそうこうしていうちに、
調子の良い日、悪い日というのを繰り返しながら
徐々に良くなっていくのを実感できてきました。

この手の痛みは良くなった事が
はっきりわかるというより

徐々に痛みに気が付かなくなるという感じです。

いつしか痛みは完全になくなり、
その後再発もしていません。

STEP4:振り返り

いかがでしたでしょうか?
今回の記事を書くにあたりいくつか検索をしていたら
下記の医院のものを読む事ができました。

私がやっていたのは治療策⑧の
トレーニングだとわかりました。

https://f-mt.jp/plantar-fasciitis/treatment-15/

原因が近しい方の場合、私と同じアプローチで
症状が改善する可能性(再現性)も
あるかもしれません。

そもそもの原因も実に様々なものがあるようなので
お悩みの方は、個々の原因にあわせた対策を
選定していくことが重要です。

さて、今回の場合ケースは、
問題解決のアプローチを使って
「再発防止を目指した根源的な治療」を
方針として打ち出し、
原因を分析し、課題を形成し
調査分析×自身の知識経験で
解決策を選択し実践する…
という流れで進めてきました。

解決したという結果は、
偶然性も高いものですが、
知識経験を活用し、
狙ってゴールにたどり着きました。

もし上手くいかなければ、
具体策を変更します。
それでもだめなら、
真因が誤っている場合もあるので、
原因分析にもどります。
これを繰り返して、
問題を解決していくのが基本です。

STEP5:成功のポイント

さて、今回は私自身の疾患であった、
足底筋膜炎という病気を克服する話でありましたが、
成功要因は、情報、知識、経験を深めていく中で
各要素を関連付けて活用したことがあげられます。

様々な学習を積み上げていくと、
ある時から様々な知識経験を
関連付けて応用できるようになってきます。

このケースの場合、
学生時代の部活動等を通じた知識経験、
その後様々なスポーツに興味を持って
論理思考でみてきた事(趣味)、
仕事の現場でPDCAを繰り替えし、
実務を積み重ね改善を経験してきた事、
中小企業診断士の資格取得をしたことで、
経営学の知識が深まり、
様々なフレームワークの活用力も高まり、
改善力や、問題解決力が高まってきた事…

こういった要素が融合して
関連付けて応用していく事で

成果(完治)に辿りつく事ができました。

生きていると、仕事でもプライベートでも、
様々な問題にぶち当たりますが、
適切なアプローチをする事で解決につながります。
また、完全解決は難しい場合でも
徐々に改善をする事は可能です。

最近の弊社の業務では
人材育成上の課題を抱える企業や、

働き方改革に課題を抱える企業などからの
お声かけが
増えてきていますが、
意外と多いのが

できていない現実までは理解していて
その先の適切なアプローチを思考する事ができずに
苦労しているケースが多いように感じています。

これはコンサルティングの場面でも
人材育成(研修)でも近い印象です。

所属している既存メンバーが
改善力や問題解決力を身につける事が
組織力を高める近道です。

是非とも、一人ひとりのメンバーが
適切なアプローチができるようになるよう、
育成を進めていってください。

弊社でも教育研修、コンサルティングなど
支援をしておりますので、
お悩みの際はぜひお声かけください。

よろしくお願い致します。

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專田 政樹
株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役
経済産業大臣登録 中小企業診断士
(一社)JDIO(日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構)
           認定 ダイバーシティ・コンサルタント
(学) 産業能率大学総合研究所 兼任講師/コンサルタント
著書:働き方改革時代の若手部下育成術
   https://onl.tw/mVukyqU
〒 :104-0045
住所:東京都中央区築地2-15-15セントラル東銀座619
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