【桜木花道の急成長ポイント到達】名作「スラムダンク」に学ぶインクルージョンマネジメント

【インクルージョンとは】?
まだまだ日本では馴染みの薄いこの言葉、
名作を通じてわかりやすく伝えて参ります。
人と人とが活かしあって共に成果を高めていくのが
インクルージョンマネジメント!

第6弾は「桜木花道編」

花道の成長に見るインクルージョンへの布石
「ある程度までいって初めてわかること」
「わかってきたら、より謙虚」

といった事をキーワードに

今回は「桜木花道に見る、人の成長加速点」についてがテーマ。

物覚えが良く、練習量をこなす頑強な身体を
もっている花道はとにかく吸収が早い。
連載を読んでいた時は、随分じれったい感があったが、
最終的に1年生の夏が最終舞台だ。
本人にとっては、たったの5カ月弱の期間である。

花道にとって幸運だったのは、
基本を大切にする先輩に恵まれた事だ。
楽しいかどうかはともかく、
赤木や彩子、リョータらが、
居残り基礎練習を強要してくれた。
シュート練習を始めて以降、
活躍が加速する要因の1つに
シュート以外の基礎を
みっちり積み上げていた事がある。

ドリブルが下手と言われている
シーンはほとんどない。
体育館シューズで挑んだ
陵南との練習試合でもだ。

さて、インクルージョンという軸で話をした時、
花道の立ち位置は新人教育と同義と捉えることができる。
特に新卒(新社会人)だ。
初めての社会人、わからない事だらけである。
特に難しいのは、バブル崩壊以降、
就活という名のもと、
かなり一生懸命考え、
活動した上で企業に入っている為、
少々社会人生活や、
仕事というものに幻想が入っている。
要はかなり高いレベルの自己実現が
いきなりできるものだと思い込んでいるのだ。
そしてポイントになるのは、
本人はしっかりと状況を
わかっているつもりであることだ。

一方経験値の不足を原因とし、
諸先輩から見た時に、
理解が浅い所で止まっていると
判断されるケースが多い。
※これは今も昔もかわらない。
おそらくこれからも…

ここまで言うと何か感じないだろうか?
まさに花道がこれなのだ。

インターハイ出場を決めた湘北高校は、
大会前に静岡で合宿を行う。
その際花道は1人残って、
ハルコやヨウヘイ達と共に、
シュート20,000本合宿をはる。

ハルコ曰く、
花道は新幹線並みのスピードで進化していく。
ポイントはこの次の段階だ。
豊玉戦の戦術で、
前半ハーフコートバスケに切り替える為、
ヤスがコートに入り花道が下がる。
そしてベンチから流川のシュートを見て、
初めて凄さを知る。
これまでも何度となく
視界には入っていた流川のシュート。
自分がジャンプシュートをある程度身につけ、
初めてその価値を感じる事ができたわけだ。
人間、一定程度経験を積まないと
気がつくことができない場合がある。
そこに到達する期間が
長いか短いかで最終的に
どこまで進めるかが決まっていくのだ。

最初のとっつきの良さで判断して、
あいつはセンスがある、
とか無いとか言う議論がある。
先輩達による新人談義だ。
潜在能力はなかなか見えないから仕方がない。
しかし、経験を積み上げ、
急激に伸び始める転換点が誰にでもある。
インクルージョンマネジメントという切り口で言うと、
その急成長するブレイクポイントまで
いかにして導くかが重要だ。

スラムダンクでいうと、
花道は主人公ではあるが、
花道の為に全ての話が進んでいくわけではない。
花道を主人公にした舞台そのものの物語だ。
いち早く成長させ、花道の大活躍を描きたければ、
もっと違う育成方法もあったはずだ。
しかし結果的にジャンプシュートに
到達したのはインターハイから。
彼の気づきがそこから加速する事を考えると、
もっと短縮して到達させる事もできた筈だ。
なぜなら彼はタフで頑丈。
オーバーワークによる故障がないからである。
結果的にという話ではあるが‥‥。

個人的には山王戦で
河田弟をぶっちぎる花道の活躍にはシビれた。
本当にシビれた。
この後どんな選手に化けるのかとゾクゾクした。
また河田兄の観察眼にもシビれた。
しっかりと評価されるシーンが
何故か嬉しく感じたものだ。

桜木花道に診るインクルージョンマネジメント!

人はブレイクポイントを迎え、
そこで自分の殻を破った時に急成長をしていく。
少しでも早くそこに導くことが、
マネジメント側の力である。
そして間違ってはならないのは、
誰にでもブレイクポイントがあるという事だ。
あいつはダメだ‥‥というマネジメントこそダメだ。
どうしたらブレイクポイントを迎えるのかを
考え導く必要があるのだ。

そしてブレイクポイントは1回ではない。
何度も迎えることができる。
その可能性は若いほど高い。
年齢を重ね自分が固まってくると
殻が強固になり自力で破りにくくなるからだ。
どんなに周りがサポートしてくれても
自分の殻は本人しか破る事はできない。
そこまでいち早く、
そして何度でも導くのがマネジメント側の
責務だとすれば、
そこまで連れて行って貰ったら、
最後の殻を破るのは本人の責務なのだ。
花道の場合、
潰れる事なく練習するという手法で殻を破った。
ゴール下シュートを会得した時は
自主練までしていた。

居眠りこいて武里戦を欠場する
ご愛嬌もあるが。

人と人とが活かし合うインクルージョン!
活かし合うには自分のもつ力を伸ばす覚悟も必要だ。
花道が山王戦の最後に言った
「やっとできたぜ、オヤジがいってたのが‥‥、
断固たる決意ってのが出来たよ」である。
このセリフは山王戦で勝つ覚悟の事を指しているが、
私には自らの甘えをすて、
苦しくても殻を破る覚悟ができた、
と聞こえる。
苦しくてもやり抜く決意だ。

人と人とが活かし合うに為には、
自分の成長に厳しく接する事もmustだ!

そうはいっても花道はやっぱり特殊な才能の持ち主だ。
身体能力といえば、
普通は速筋か、遅筋かいずれかについて
飛び抜けている選手が結果をだす。
論理的にもわかりやすい。

しかし花道は両方に優れている。
いわゆるピンクな筋肉だ。
そして頑強。 なかなか一般人にはない。

そうでもなければ5カ月で
あそこまで到達するのは難しい。
しかし、スラムダンクには他の事例もある。
海南の宮益が真逆の事例だ。

また、湘北なら小暮がそうだ。
メガネ君は湘北がインターハイ出場を勝ち取る戦いで、
価値ある勝利打点とも言えるゴールをあげた。

陵南監督田岡が繰り返してしまった誤算だ。
練習試合で犯したミスが本番でも繰り返されてしまった。
監督田岡自身も悔いる。
メガネ君を指して、やつも3年間頑張ってきた大人だった‥‥。
侮ってはいけなかったと。

メガネ君はここぞという時に
気負わず力を出せるメンタルを持っていた。
ハビット(習慣化)まで辿り着いて証だ。
そこについてはまったくといっていいほど、
クローズアップされてないが、
再三結果を出している。
実は花道よりメガネ君の
事例の方が共感を得るのかも
しれないと思うぐらいだ。

少々話がそれてしまったが、
個の成長と組織の成長は切り離せない。
これからどんどん人がいなくなる
少子高齢化社会で発展し続けるためなは、
共に欠かせない要素である。

この先の危機はすでに予測できている。
少子高齢化の進展、
生産年齢人口の減少、
目の前に迫る介護ショック……
働く人の人数は減り、
時間と場所の制約が増えるなか
互いが活かし合わなければ
日本の未来は拓けない。
【子供達に「明るい未来」と「豊かな社会」を! 】
そのためにはやっぱり「インクルージョン!!!」が大切なのだ!!

バックナンバー
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【豊玉高校の悲劇! 南・岸本にはインクルージョンは起こらなかった】

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【海南高校の2人のシューターは啓発の組織風土が産みだした】

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【三井寿の翼は他己承認によって羽ばたく】

↓第2弾:ボス猿、魚住純編
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【流川楓が沢北栄治を抜き去るシーンにおけるインクルージョン】

man doing jump shot
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