利益を残すという事において
最も重要な【在庫】についての
話に入った虎の巻です。
小売業の利益改善コンサルタント、
中小企業診断士の専田政樹がおくる、
店舗の利益改善 虎の巻、
【46巻】です。
在庫管理におけるリスク…
これが商品在庫の乱れとともに
大きなダメージになるという話です。
さて前回は飲食の話をもとに
「期待値」という話でした。
店舗環境や接客サービスとともに、
小売業でもっとも重視される品揃え…
これには大きく2つの軸があります。
ひとつ目は奥行き、
二つ目は幅です。
色サイズと合わせてデザインや、
流行など色々なものが
影響を及ぼします。
今回は、まず1つ目の奥行きの話を致します。
おそらくこちらのほうがわかりやすいからです。
こんな売場を目にしました。
3日くらい前のものです。
商品は紳士用のジャンパーです。
デザインはいい感じです。
素材感も悪くありません。
センターのチャックは
差し色が入っていて、
シルエットも細身で
すっきりです。
当初価格は4800円(消費税込み)です。
それが2900円に値下げして
販売されています。
どう思われますか?
まずは色です。
以前【適正在庫】が大切である、
そして、そもそも【適正】ってなに?
という話を致しました。
売場での仕掛けかたや、
販促と連動して変化する、
完全にコントロールを仕切ることが
難しいものである事もお伝えしました。
また前節では売上の話を取り上げた際に、
過去データの活かし方について、
スポットを当ててお話してきました。
キャラクターの変身スーツの話をした時と、
考え方は一緒です。
何色が売れるか仮説をたてて、
残るとしたら売れる色を残すように
コントロールするという話です。
この場合はどうでしょう?
赤が大量に残っています。
しかし紳士物のジャンパーで
赤が最も売れる色でしょうか?
しかし全体の50%は赤です。
そして15%がモスグリーン、
全体の35%がネイビ-といった
感じですよね?
そしてサイズを確認しました。
モスグリーンは「M」「L」がなくなっていて、
「S」と「LL」だけになっています。
ネイビ-は「L」だけがなくなっていて、
他のサイズが残っています。
赤はSが2枚、Mが4枚、
Lが4枚、LLが3枚といった感じで
全サイズが残っています。
もし、この場合で、
赤が1番の売れ筋であれば
上手くいっているといえますが、
だとしたら値下げはしません。
基本的には売れ残ったから
値下げをしている訳です。
つまり売れる色、サイズが先に売れて、
残った商品を値下げしている
パターンだという事です。
こうなってしまうと、
もうどうにもなりません。
ネイビ-のMがきれた段階で、
中心から外れたサイズと、
不人気色のみとなってしまいます。
値段をいくら下げても、
更に下げても、
商品は売れなくなります。
下手をすると仕入れ原価を割って
しまうケースも発生します。
その結果、建値販売した分の
利益も食ってしまい、
売り切った段階では
全く儲けはのこらない訳です。
一生懸命売ったのに…
こうならない為には、
赤は最小限の量に初回量から抑えて、
売れそうな2色のMとLで
しっかり量を持って、
端サイズ(SやLL)は赤同様に
少なめにするべきですよね。
初回投入時にしっかりと
対応できれば利益がでますが、
このようなケースにすると、
ヘタすると赤字になります。
これが売上とつくる事以上に、
在庫のコントロールが利益に
直結するところなのです。
計画的な在庫管理でしっかり
利益を残したいですよね (^^ゞ
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