社会構造の変革が、徐々に加速する中、各社とも新入社員や若手育成の動きが積極化し、弊社でも、たくさんの新人若手研修を担当させていただいております。年明けから2年目に入るメンバーのフォローアップが入り、この4月、5月は新人研修ラッシュ。
この2カ月で120人ほどのメンバーを送り出しました。

そして、この時期は繁忙期ということもあり、来期のリピートが続出し、来年のスケジュール調整が早くも進んでいます。

新人若手育成についてのこれまでとの大きな違いは、定着と戦力化に向け、各社教育にかなり手厚いボリュームを割いている点でしょう。基本的な初期研修に始まり、文書作成やビジネスマナー、実務教育など実に手厚い内容となっています。

私が新人の時代は「体で覚える系OJT(計画性なし)」や、「武勇伝型伝承教育」、或いは「背中を見せるから盗んで覚えろ型」が主流でした。(笑)
※業界特性や、個別企業特性も大きいとは思いますが、遠からず...といった感じではないでしょうか。

一方で、教育体系を構築している側の立場の方々の戸惑いも感じています。手厚くしたいとは思っている、或いは手厚くしているのだが、なかなか効能が上がらない…とか、本当にこのやり方で良いのだろうか?…といったお悩みです。
手厚くし始めてから、あまり期間が経過していない為、成果が高まった事例が不足していて、必勝パターンが固まっていないという状況でしょうか。

一方で新入社員側の様子を観察していると感じるところもいくつかあります。熱心に初期教育をやるほど実務とのギャップが埋まらないまま進む為、現実感が無いまま進行してしまっており、どこかキョトンとした所があります。
特に今年の新入社員社員の全体感として、1人1人非常に素直な方が多く感じます。研修内容と自分のイメージが合致した時は、内容を敏感に感じ取り、すぐさま行動に移そうという熱意を発します。

1つ、例を上げましょう。
例えば電話応です。
ビジネスの基本として、電話の出方や取り次ぎについて、必ず扱う内容でしょう。少し前なら、何故そんな事をしなければならないんだ…とか、そんな事をする為にこの会社に入ったんではない…といった反応もあったかと。
一方で、今年担当したメンバーは実に素直で、どちらかというと、まだ何もできない自分に対し、電話ならでられるからそのくらいは頑張ろう…とか、まずは雑用からだ…といったセリフが出てきます。
比較的入りたい業界に入ることができている傾向も強いためモチベーションも高いのでしょう。
それはそれで勿論よいのですが、弊社の場合、もうひと押し、短期的な自己実現とマッチングさせる事でより自律性を高める狙いで、必ずこんな発問をし、メッセージを贈ります。

日々、お客様やお取引先様からの電話を、正しく感じよく丁寧に取り次ぎ続けたら、自分に取ってはどんな効果があると思う?…と。
なかなか答えはでてきません。
こちらからは、こんなフィードバックをします。頑張った先輩はこんなこといってるよと。

まず部内。
「いつも電話とってくれてありがとう。感じのいい新人が入ったねって取引先からも声かけられたよ。今度紹介するから一緒に行こう。」と上長からの言葉。
実際に取引先に行ったら、「君が●●さんか。いつも感じいいよね。これからよろしくね。」と言われた。
普通は、名前を覚えてもらうだけでも一苦労。仕事は先輩がいれば事足りるからわざわざ自分と話をする必要もない。実務ができる前から信頼してもらえると、早く仕事を任せて貰えるし、やりたい事もやらせてもらえるようになっていくよ…と。

次は関連部署。
「あなたが●●君ね。いつも感じいいよね。困った事があったら声かけてね。」
こんな調子なので、部長からちょっと厳し目の社内調整の指示をもらった際に相談してみたら、
「あーこれは厳しいねぇ。タイミングみて部内でなんとか通しとくよ。後で連絡するからちょっとまってね。部長には明日の夕方くらいに返答もらう事になったって言っといていいよ。」こんな感じです。

つまり、電話を正しく頑張ると社内外に信頼関係のある人脈を構築する事ができる。それが早い段階で、やりがいのある仕事や、希望する仕事を近づけていくことに繋がるんだよ。

ここまで話すともう目の色は変わってます。

ダメ押しとして、
ただし!いくら頑張っても質が低いとかえってマイナス効果を産んでしまうので、いまそのスキルはしっかり身につけておく必要がある。言葉遣い、取り次ぎの仕方、メモの残し方、声のトーン、姿勢...
また、お客様や上長、先輩だったらどうして欲しいかを考えるなど、覚えて行く事はたくさんある。
定着させて実践できるレベルまで頑張ろう!

こんな、話をすると事務局をしている人事の方もしっかりメモを取られているシーンが散見されました。
新入社員が想像可能なシーンを例示し、自己実現に向けた短期的メリットとしっかりつないで、思考をスタートダッシュさせる事ができれば、初期段階からしっかり自律自走していきます。職場でも同様のフォローアップが重要なのは言うまでもありませんが…

もう一つの切り口は、中期の自己実現との接続です。少々長くなりましたのでこちらは次回に続けます。(^^♪

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著者プロフィール

専田 政樹(弟)
専田 政樹(弟)中小企業診断士
7&iグループ出身。
大企業10年、中小企業10年のマネジメント経験を活かし、制度構築、業務改善、人材育成等で企業支援にあたる。
企業在籍中に管理部門責任者として営業利益▲3%から1年で+0.5に改善した実績をもつ。
多様な人材の能力を引き出し相乗効果を出すダイバーシティマネジメントを専門分野とし、既存人材活性化を得意とする。