今回は、先日ある企業様の若手社員研修で名古屋行った際に立ち寄った、
表題の創作和洋ダイニングOHANA刈谷本店についてのお話です。

めったにここまで感じる事はないのですが、実に素晴らしい職場でした。
カウンター席でロケーション的に見えやすかったこともあり、
しっかりと拝見することができました。
私が入店した時間が少し早めだった事もあり少しゆとりのある雰囲気でしたが、
しばらくすると徐々にお客様が増え、一気にピークタイムへ。
そんな中でも、メンバー全員がニコニコキビキビハキハキ‥‥。

そしてなんといっても、こちらのお店のスタッフは
何より仕事を楽しんでいる雰囲気です。
忙しい中でも一人ひとり本当に楽しそうに充実した表情で働いています。

さあこうなると、「何故このような事ができるのか…」と俄然興味がわき、
つい仕事モードで分析を始めてしまいました。もう職業病ですね。
店長も入店時から気さくに話しかけて下さるので、会話を楽しませていただきました。

↓店長兼人事部人財開発責任者の野中誠也店長(左)と
2日目来店時に厨房に入っていたぐっちゃんさん(右)

 

以下、こんな事をされていました、あるいはこんな風に感じました‥
という具体例を示します。
結論からいうとこちらの店長はSL理論とコーチングの使い手だといえるでしょう。
※SL:シチュエーショナルリーダーシップの略
ざっくりというと部下の成熟度に合わせて、指示的行動、支援的行動等を
使い分けて接し、成長を促すリーダーシップスタイル

 

・しっかりと組み立てられたOJT

野中店長の動きをみていてすぐに思ったことがこれ。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」
山本五十六の名言ですが、まさにこれが実践されていました。
自ら大きな声であいさつし、テキパキ、ハキハキ、なんとも楽しそうにやっています。

そして説明するときは丁寧に、そして相手の理解のペースにじっくりとあわせていました。
お醤油をいれる小皿を客席に運ぼうとするホールスタッフが、
10枚ほど縦に積んだ状態で運ぼうとしているところへ、
一声かけ2列にわけて運ぶよう指導をしているシーンがありましたが、
はじめは何のことを言っているのかがよくわからなかったようで、
なかなか指導をのみこめないシーンがありました。
そんなケースでも、忙しいさなか、
あせらずゆっくり相手が理解できるまで落ち着いて伝えていました。
わかっていてもなかなかできる事ではありません。

そして仕事を実践する中で非常によく聞こえたのが、
「●●さん ありがとう」の大きな声です。
私の目からは自ら考え行動した際に、
必ず「ありがとう」という声をかけているように見受けました。
自ら考え自律的に行動すると、ほめられる。また考えて行動する。
また褒められる。この繰り返しが自立性を産み、
やりがいにつながっているのでしょう。
メンバー全員の内発的動機付けを高めていくことにつながっています。

キッチンに入っていても、その合間をみてホールを巡回したり、
メンバーに声をかけてまわったりと、
常に視野を広げ動き回っています。お見事の一言につきます。

 

・キャリアパスを考慮した計画的な育成

ホールのなっちさんに、合間を見ては何やら伝達…
なんとなくキッチンの仕事を少しずつ伝えているように映りました。
(会話は聞き取れなかったので推測です。)
次のステップとしてキャリアをキッチン寄りに
進めようと育成をしているようでした。
キャリアパスを考えて次の段階への育成を計画的に進めています。

 

・希望を活かした人員配置

店長とともにキッチンに入っていたありささんに、
もともとキッチン希望だったの?と質問すると、やっぱり答えはYES。
キッチンが戦場にようになっている中、生き生きしているわけですね。
でも最初はホールから入ったそうです。
どんな料理をどんな風にお客様が召し上がっているのかを
知っておくこともやっぱり重要だと思います。
それでも4月に入って11月末のこの時期にバリバリやっているあたり
希望通りのポジションでモチベーションも高く働いていることが伺えます。

 

・役割に応じた具体的なコミュニケーション

当日の人員配置に合わせて、今日はまだキャリアの短いメンバーがいるから、
丁寧に教えるからフォローアップを頼む…といった感じで、
シフトに入った先輩社員に当日の人員体制に合わせ、
後輩指導の役割を果たしてもらいたいことしっかり伝達。
後輩指導のアクションを先輩役自身の能力に
委ねてしまうケースも多々ありますが、
しっかりと意思を伝達しています。

 

・キッチンとホールをグリップするマネジメント

この点は、私が飲食の造詣が深くないせいかもしれませんが、
料理長と店長の役割分担について、小売業出身の私としては、
店全体の総指揮者が店長で、キッチンのトップが料理長、
ホールにはホールにトップがいる事をイメージしていました。
一方、一概にそうではないようで、
料理長の権限が大きいケースが見受けられます。
野中店長はしっかりとホールもキッチンも、
そして戦略もグリップしており、まさに店全体をみています。
やっぱりトップはこうでないと…と改めて感じました。

 

さて、それぞれ理論的にも説明がつきますが、
なんといってもこの実践力が凄い!
理論はわかっても実際に実行するのは難しいものですが、
実に高いレベルで実践されています。
おそらく団体戦の経験が豊富なのだろうと思い、
お伺いしたところ、高校までサッカーをされていたとのこと。
陸上部出身の私からすると、
見事なチーム戦を展開している源泉は
そういった経験も生きているのだろうと感じます。
その日はホテルに名刺をおいてきてしまっていたので、
翌日帰る前にちょっと立ち寄ってご挨拶をさせていただきましたが、ここでまたびっくり。
昨日とスタッフが全員入れ替わっています。
これがまたハイレベルで、昨日同様、全員が実に楽しそうに働いています。

この日に出会った「たっちゃん」さんと少し話をしていると、
なんでもこの系列のお店で4店目のベテランさんとのこと。
就職が決まったんです…というので「飲食にすすむの?」と聞いてみたところ、
ちょっとびっくり公務員。
一瞬、話の流れがわからなくなりましたが、
成程この店の顧客満足度の高さが伺えるエピソードがまっていました。

↓「たっちゃん」さん(左)と野中店長(右)

面接を担当してくれた方がどうやら常連さんらしく、
「たっちゃん」さんの接客っぷりをよく知っていたようで、
内定後、人柄で採用したとのフィードバックがあったそうです。
配属先もおそらく1階のお客様がもっとも多い箇所で、
おもてなしを担う事になるようで、
お店での仕事っぷりが、まったく畑の異なる業界での
内定に直接的に影響をおよぼしたという事例です。

実際、忙しい中でも、その広い視野で目配り・気配り、
チームそのものが機能している為、
実務力が平素の仕事ではっきり見えますので、
それを見ていれば評価も当然高まります。
私が面接官でも同じでしょう。
そうこうしているうちに徐々にお客様が増えてきたので
「忙しいのに話かけちゃってごめんね」と声をかけたら、
「ちゃんと見えてますので全然だいじょうぶです!」との返答。
いやあなんとも頼もしい限りです。

ひと昔前は私の出身企業でもうちでアルバイトしていると就職に有利だ…
などと言われていた事がありましたがそれも過去の話…
このお店はまさに今、最高峰にいるのかもしれません。
忙しくてもメンバー全員が楽しく働ける職場を
経験していることは人生において非常に大きな財産となるでしょう。

皆さん、近くに立ち寄るチャンスがあったら
是非こちらのお店に足を運んでみて下さい。

※お店のHP  https://r.gnavi.co.jp/n537500/

店長がどうのようにメンバーにアプローチし、
コミュニケーションをしているかを見るだけで、
本当に勉強になります。

 

さて、ここまで働き方の話ばかりしてきましたが、
そうはいってもやっぱり飲食店なので
当然メニューも気になるところですよね。
おすすめ料理という事でふたつ紹介いたします。

↓メニューのおすすめ料理のぺージ

 

①せせりのけむり焼き

もうもうと煙が立ちある状態で席に運ばれてきます。
非常にダイナミックです。
そしてもやしもシャキシャキでとてもおいしかったです。

 

②おはちきウィング
こちらは、おいしいだけでなくお店の販促にも一役買っています。

登録していただいたお客様に送っている
誕生日はがきを持参していただくと、
なんと「年の数」だけチキンをプレゼント!
えっ「年の数?嘘でしょ…」と思いきや、
当日持参してくださったお客様が実際にいて、
現物を見せてくれたのが下の写真です。
なんと66歳で66本のチキンとか。
なんとも驚きのサービスです。
おすすめ料理は提供方法も工夫されていて、
実に楽しい仕掛けもしてあります。

↓「たっちゃん」さんがもっているのが
66本のオハチキウィング

 

最後にお客様がお帰りになる際に
しっかりと外までお見送りをしているなと、
感心していたらお見送りの際に
ドアの外にでるタイミングでクーポン券付きの
キャンディーをいただきました。
なるほど、外にでたタイミングで
キャンディーを全員に渡す仕組みにしているから、
漏れなく外までお見送りがされているのだなと、
最後の最後でまた感心させられました。

 

実に素晴らしいお店です。
料理がおいしい事はもちろんですが、
マネジメントの勉強という意味でも非常に参考になります。

また、ホームページをみて、その理念、ミッション、
エネルギー、これまたさすがです。
経済産業相のおもてなし経営企業として表彰もされています。

うーん東京者の私がしらなかっただけで、
既に世間ではしっかり評価をされているお店でした。
失礼いたしました。
やはり総合的な取り組みがあって、
素晴らしいお店つくりになっているのだなと感じます。

HPトップ  http://ohana.me/

繰り返しになりますが、
お近くに行かれるときは
是非一度行ってみてください。
ホントにおすすめです!(^^♪

人にまつわる問題や悩みを抱えていませんか?

著者プロフィール

専田 政樹(弟)
専田 政樹(弟)中小企業診断士
7&iグループ出身。
大企業10年、中小企業10年のマネジメント経験を活かし、制度構築、業務改善、人材育成等で企業支援にあたる。
企業在籍中に管理部門責任者として営業利益▲3%から1年で+0.5に改善した実績をもつ。
多様な人材の能力を引き出し相乗効果を出すダイバーシティマネジメントを専門分野とし、既存人材活性化を得意とする。